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[感]メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症,バンコマイシン耐性黄 色ブドウ球菌感染症:5類
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治療のポイント
・病態,重症度および起炎菌の薬剤感受性に応じた治療戦略が必要.MSSAとMRSAでは最適な抗菌薬が異なることに注意する.
・膿瘍では切開排膿が,異物・医療デバイス関連感染では異物・デバイスの除去が必要.
・バンコマイシン注使用の際は,トラフ血中濃度10~20μg/mLを目安として投与量・投与間隔を調整すること.
●病態
・黄色ブドウ球菌(SA:Staphylococcus aureus)は健康人の常在菌である一方,さまざまな感染症の原因にもなる.
・SA感染症は,皮膚軟部組織感染(膿痂疹,蜂巣炎,リンパ節炎,毛嚢炎,せつ,膿瘍など)と侵襲性感染(骨髄炎,関節炎,肺炎,菌血症,感染性心内膜炎,髄膜炎など)に大別される.
・また異物や中心静脈カテーテルなど医療デバイスに関連した感染症の原因にもなりやすい.通常,SAによる異物や医療デバイス関連感染では異物・デバイスの除去が,また膿瘍では切開排膿が必要である.
・またSAは抗菌薬に対する感受性から,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に分けられ,それぞれ有効な抗菌薬治療が異なる.
●治療方針
A.毒素性ショック症候群(TSS:toxic shock syndrome)
SAが定着した異物や感染巣があれば除去する.
Px処方例 下記のとおり.また併用療法として免疫グロブリン静注も考慮される.
(MSSA)
(MRSA)以下➋➌のいずれかを用いる.
B.敗血症
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