治療のポイント
・乳児期の鉄欠乏性貧血は,ほとんどが母乳栄養児である.
・自覚症状に乏しい疾患であることを念頭におく.
・規則正しく鉄剤を服用していない可能性が意外に多い.
・Helicobacter pylori感染症の家族歴を確認する.
・輸血は原則施行しない.
●病態
A.病態
・鉄欠乏性貧血は,鉄の需要と供給のバランスが負に傾き,鉄欠乏が最も進行した状態である.
・鉄欠乏が起きるとまず貯蔵鉄が減少し,その次の段階として血液中の鉄の減少,そして組織中の鉄の減少が生じ,その後徐々に貧血が進行する.
・血清フェリチンは貯蔵鉄を反映して鉄欠乏状態の初期の段階で減少するので,鉄欠乏性貧血の有用な指標である.
B.リスク因子
・思春期と乳児期後期に頻度が高い.
・低出生体重児や早産児.母親からの鉄の移行が少なく4~5か月からみられる.
・完全母乳栄養児(鉄含有量が少ない)で離乳食の進みの悪い児.
・スポーツによる鉄欠乏性貧
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/溶性ピロリン酸第二鉄《インクレミン》
- 治療薬マニュアル2024/クエン酸第一鉄ナトリウム《フェロミア》
- 治療薬マニュアル2024/乾燥硫酸鉄《フェロ・グラデュメット》
- 治療薬マニュアル2024/含糖酸化鉄《フェジン》
- 治療薬マニュアル2024/ブドウ糖《ブドウ糖 ブドウ糖》
- 今日の治療指針2024年版/鉄欠乏性貧血
- 今日の治療指針2024年版/小児の鉄欠乏性貧血
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/ヘモクロマトーシス
- 臨床検査データブック 2023-2024/鉛〔Pb〕
- 臨床検査データブック 2023-2024/葉酸〔FA〕 [保]* 150点
- 新臨床内科学 第10版/【2】鉄欠乏性貧血
- 今日の診断指針 第8版/鉄欠乏性貧血