診療支援
治療

咽頭・扁桃炎,アデノイド・口蓋扁桃肥大
pharyngitis,tonsillitis,adenoid and tonsil hypertrophy
中島逸男
(獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学・准教授)

Ⅰ.咽頭・扁桃炎

●病態

A.急性咽頭炎

・咽頭の粘膜およびリンパ組織の急性炎症で,A群β溶連菌やインフルエンザ菌,ブドウ球菌などによる細菌感染あるいはアデノウイルスやコクサッキーウイルス,インフルエンザウイルスなどのウイルスが原因となる.

・主な症状は発熱や急な咽頭痛,嚥下時痛のほか,時として放散痛による耳痛も訴える.

B.慢性咽頭炎

・咽頭の慢性炎症で,成人では喫煙,飲酒などによる慢性的曝露が誘因となるが,小児例ではアレルギーほか,鼻呼吸障害による口呼吸が咽頭粘膜の乾燥を招くことで生じる.

・主な症状は咽頭違和感や異物感,乾燥感で,時として咳嗽を伴うことがある.痛みはあっても軽度である.くしゃみや鼻漏,鼻閉の訴えがある場合はアレルギー性鼻炎の関与を疑い,日常的な口呼吸ではアデノイドの増殖も考慮する.

C.急性扁桃炎

・急性咽頭炎と同様に溶連菌やインフルエンザ菌,ブドウ球菌などによる細菌感染あるいはアデノ

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