治療のポイント
・動悸は心悸亢進とも表現され,通常自覚しない心臓の鼓動を不快に感じる症状の総称である.
・動悸は,成人患者のプライマリ・ケア領域で最も一般的な症状の1つで,緊急度,重症度や原因もさまざまである.
・動悸の原因については,以下に述べるような系統的アプローチで診断する.
◆病態と診断
・動悸の診察で最も重要な点は,その原因が致死的となりうるか否かを見極めることである.そのために,以下のA~Cを迅速かつ的確に実施し,特に急性冠症候群,急性大動脈解離,肺血栓塞栓症や不整脈を伴う急性心不全を見逃さないようにする.
A詳細な病歴聴取
・詳細な動悸の特徴(その性状や脈不整の有無など)を聴取する.随伴症状(息切れ,呼吸困難,失神など)を有する場合,心疾患を念頭におく.
B身体診察とバイタルサイン確認
・胸部聴診では特に心雑音の有無に注意する.眼瞼結膜での貧血所見,甲状腺腫大や全身の浮腫の有無も確認する.
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