診療支援
治療

ウイルス性出血熱 [■1類感染症]
viral hemorrhagic fever(VHF)
原永修作
(琉球大学病院診療教授・総合臨床研修・教育センター)

頻度 あまりみない(本邦ではきわめてまれ)

治療のポイント

・いずれのウイルス性出血熱においても循環動態の安定を含めた全身管理が治療の基本である.

◆病態と診断

A病態

・ウイルス性出血熱(VHF)は発熱,出血(皮下,粘膜,臓器),多臓器不全を引き起こすウイルス感染症と定義される.

・一般的にVHFとは,エボラ出血熱(EVD:Ebola hemorrhagic fever),クリミア・コンゴ出血熱(CCHF:Crimean-Congo hemorrhagic fever),マールブルグ出血熱(MHF:Marburg hemorrhagic fever),ラッサ熱(LF:Lassa fever),南米出血熱(SAHF:South American hemorrhagic fever)を指す.SAHFには,アルゼンチン出血熱,ボリビア出血熱,ベネズエラ出血熱,ブラジル出血熱が含まれる.

・腎症候性出血熱,ハ

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