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GL糖尿病診療ガイドライン2019
治療のポイント
・糖尿病(性)神経障害は最も多い糖尿病合併症の1つであり,糖尿病診療において定期的に神経障害の評価を行うべきである.
・神経障害の自覚症状を聴取し,痛覚・振動覚などの知覚機能およびアキレス腱反射を評価し,診断する.多くの場合は左右対称性に足部に症状が出現する.
・血糖コントロールは糖尿病(性)神経障害の発症・進行抑制に有効である.
・エパルレスタットは糖尿病(性)神経障害の進行抑制に有用である場合がある.
・痛み,しびれといった有痛性神経症状が中等度以上の場合は,三環系抗うつ薬,プレガバリン,ミロガバリン,デュロキセチンが有効である.自律神経障害についてはいまだ有効な薬剤がなく,対症的に加療する.
・末梢動脈疾患(PAD:peripheral artery disease)は糖尿病大血管障害の1つであり,これ自体が患者のQOLを下げるのみならず,冠動脈疾患や脳卒中の強いリスクとなる.
・糖尿病性足病変は,神経障害と末梢動脈疾患などの複合要因で形成される.急速に壊疽に至る場合があり注意を要する.
◆病態と診断
A病態
1.糖尿病(性)神経障害
・神経細胞が高糖質条件に晒されることによる代謝性変化や虚血,低酸素などが要因となって神経障害が進展する.代謝経路の変化として,ポリオール代謝の亢進とソルビトールの蓄積,終末糖化産物(AGE)とその受容体を介した炎症の亢進,プロテインキナーゼC経路の活性化,ミトコンドリアにおける活性酸素などが神経障害をもたらす.
・神経障害は全身の末梢神経障害である多発神経障害と,動眼神経障害や四肢の単一の運動神経障害である局所性神経障害に分けられる.多発神経障害は感覚,運動,自律神経障害を含む.また局所性神経障害は,単一神経の障害(単神経障害)と,多巣性神経障害を含んでいる.
a.多発神経障害
・発症早期に下肢の末梢
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