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ニュートピックス
・重症化の予防にはCOVID-19ワクチン接種が重要である.
治療のポイント
・小児COVID-19は多くの場合軽症で,特別な治療は要さない.
・中等症以上の症例では,レムデシビルやデキサメタゾンなどを使用することがある.
・治療にあたっては「小児COVID-19軽症から中等症の治療フローチャート」(日本小児科学会)や「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」(診療の手引き検討委員会)などを参考にする.
◆病態と診断
A病態
・気道への新型コロナウイルス(SARS-CoV-2:severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)の感染による.SARS-CoV-2により引き起こされる感染症をCOVID-19(coronavirus disease 2019)と称する.
・無症候性感染から致死的な重症例まで幅広い臨床像・重症度を呈する.上気道炎,クループ,肺炎などの呼吸器感染症が主だが,熱性けいれん,脳炎・脳症や心筋炎なども呈する.
・急性感染後2~6週間に起こる小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS:multisystem inflammatory syndrome in children/pediatric inflammatory multisystem syndrome)の存在が知られている.
B診断
・気道検体(鼻咽頭ぬぐい,唾液など)からのSARS-CoV-2ウイルスの検出が基本である.検出方法としてはPCRをはじめとした核酸増幅検査や,抗原検査(定性,定量)が用いられている.
・MIS-C/PIMSは症候診断が主である.WHO(World Health Organization)やCDC(Centers for Disease Control and Prevention