頻度 ときどきみる
GL小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020
GLエビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2020
ニュートピックス
・小児難治性ネフローゼ症候群におけるリツキシマブ投与後の,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)投与の再発予防効果を示す本邦でのRCTの結果が公表されている.
治療のポイント
・ネフローゼ症候群においては診断基準が重要である.
・ネフローゼ症候群を診断した場合に,腎生検の適応の確認が重要である.
・小児特発性ネフローゼ症候群の初発治療法として国際法(ISKDC法)が推奨される.
・ステロイド感受性,ステロイド抵抗性の見極めが重要である.
・頻回再発型,ステロイド依存性では免疫抑制薬の使用を考慮する.
・ステロイド抵抗性では,腎生検ののち,免疫抑制薬を使用する.
◆病態と診断
A病態
・ネフローゼ症候群は「高度蛋白尿」が病態の本質であり,そのために引き起こされる「低Alb血症」と合わせた2つの症候により特徴づけられる症候群である.
・小児におけるネフローゼ症候群の特徴は,特発性が多く(9割),さらにその大部分(9割)が微小変化型とされている.
・小児特発性ネフローゼ症候群の特徴は,ステロイド感受性が多い(9割)が,再発も多い(6割)ことである.
・小児特発性ネフローゼ症候群の少なくとも3割は,頻回再発型やステロイド依存性を呈する.
・ネフローゼ症候群では浮腫がみられることが多く,その発症機序は複雑でさまざまな要因が関連するが,大別するとunderfilling(underfill)説とoverfilling(overflow)説があり,小児特発性ネフローゼ症候群では成人と比較して前者の要因が占める比率が高い.
・ネフローゼ症候群全体としてはまれではあるが,小児でもIgA腎症,紫斑病性腎炎,ループス腎炎などでネフローゼ症候群を呈する場合があり,その認識が重要であ