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診断

12 急性下痢症

急性下痢症の鑑別

明確な基準はないが,2週間以内を急性,2-4週間を遷延性,4週間以上を慢性の下痢と考えるのが1つの目安である.

ほとんどの急性下痢は急性胃腸炎であり対症療法のみでよいが,消化管出血,アナフィラキシー,トキシックショック症候群,甲状腺クリーゼ,副腎不全などを見落としてはならない.

急性胃腸炎以外の急性下痢症

黒色便や鮮血下血を急性下痢症と見誤らないために,便色を確認すべきである.

バイタルサインに異常があればアナフィラキシー,トキシックショック症候群,甲状腺機能中毒症,副腎クリーゼといった重大な病態を否定する必要がある.

レジオネラ症,HIV感染症,重症熱性血小板減少症候群(SFTS),インフルエンザ,マラリアなどの感染症や,SLE(ループス腸炎),尿毒症も急性の下痢を呈することがある.

大量の水様性下痢ではなく腹痛を伴って軟便や頻便である場合には,骨盤内炎症性疾患(虫垂炎

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