診療支援
診断

7 心外膜炎

急性心膜炎

原因としては圧倒的に特発性(ウイルス性を含む)が多いが,感染(細菌性・結核性),悪性疾患,自己免疫/炎症性疾患を否定する必要がある.

発熱,倦怠感,筋肉痛が先行し,胸痛で発症するのが典型的である.胸痛は急性発症の胸膜痛で,仰臥位となると増悪するのが特徴である.

身体診察で心膜摩擦音を認めれば確定的である.体位変換や時間経過で容易に変化するため,繰り返し診察を行う.

心電図ではaVR誘導・V1誘導を除く広範な誘導でのST上昇,PR低下がみられ,超音波検査では経過に一致して心囊水を認めうる.

心膜炎は病理解剖の1-6%,入院患者で0.1%,心筋梗塞のない救急外来胸痛患者の5%の頻度でみられる〔N Engl J Med. 2004 Nov 18;351(21):2195-202. PMID:15548780〕.


急性心膜炎の原因(欧州,784例)

特発性とされる大部分はウイルス性

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?