喀血と吐血との鑑別
◉泡沫状の血液やアルカリ性の血液,呼吸器症状がある場合は喀血と考える.
◉喀痰全体が血性であれば下気道からの出血(真の喀血)を考えるが,喀痰に線状の血液が付着している場合は上気道からの出血の可能性が高い.
●喀血と吐血の鑑別図
▶後鼻腔からの鼻出血も喀血と見誤ることがある.
喀血の原因疾患
◉肺癌,結核,気管支拡張症が原因としては多い.
◉血管系疾患(肺塞栓症,胸部大動脈瘤破裂,小~中血管炎)の頻度は高くはないが重大な疾患である.
◉びまん性肺胞出血は肺毛細血管炎,びまん性肺胞傷害,その他(心不全,凝固障害)が原因となる.
●喀血の原因(12論文,2,342例)図
▶24時間あたり200(100-600)mL以上の喀血を大量喀血と定義する〔Am Fam Physician. 2015 Feb 15;91(4):243-9. PMID:25955625▶〕.大量喀血においても気管支拡張症,結