診療支援
検査

成長ホルモン〔GH〕 グルカゴン負荷試験   1,200点(包)
glucagon test
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

基準値 GH頂値6ng/mL以上(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)


測定法 グルカゴン1mg(小児30μg/kg)筋注前(0分),筋注後60,120,150(180)分のGHを測定(RIA,EIA,FIA法)


検体量 GH測定用として各血清0.5mL


日数 数時間~5日


目的 GH分泌不全症の診断と評価


Decision Level

●GH頂値3~6ng/mL(減少)(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

[高頻度]中等症GH分泌不全性低身長症 [対策]「インスリン負荷(低血糖)試験」の項参照

●GH頂値1.8~3ng/mL(中等度減少)(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

[高頻度]中等度成人GH分泌不全症,重症GH分泌不全性低身長症 [対策]「インスリン負荷(低血糖)試験」の項参照

●GH頂値1.8ng/mL以下(高度減少)

[高頻度]重症成人GH分泌不全症,重症GH分泌不全性低身長症 [可能性]視床下部障害によるGHRH分泌不全,Pit-1異常症,Prop-1異常症 [対策]「インスリン負荷(低血糖)試験」の項参照


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 グルカゴンは一過性の血糖上昇を起こし,反応性にインスリンの分泌を促す.この内因性インスリンによって引き起こされる低血糖が刺激となってGHの分泌が起こる.このように,多くの段階を経てGH分泌が起こるため,GHのピークは120~180分後と遅く,刺激がやや不確実であるため,健常者でも30~40%でGHの分泌がみられないことがあり,GH分泌を増強する目的でプロプラノロールを前投与することもある(グルカゴン-プロプラノロール試験).低血糖が刺激となるため,同時にACTH-コルチゾールの分泌もみられる.検査に時間がかかり,他のGH分泌刺激試験と比べて特に優位な点がないので最近はあまり行われない.


[感度・特異度]

 GH分泌不全

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?