基準値 陰性
測定法 以下の2つの目的・方法がある
①糞便からのベロ毒素の直接検出
②分離した大腸菌のベロ毒素産生性試験
免疫学的にVTを検出するための市販簡易検出キットがある
●EIA法(ELISA法) 大腸菌・ベロ毒素キット オーソVT1/VT2(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス)
●イムノクロマト(IC)法 デュオパス®・ベロトキシン(極東製薬/メルク),キャピリア®VT(タウンズ)
●RPLA法 VTEC-RPLA(デンカ)
「大腸菌ベロ毒素キット オーソVT1/VT2」では糞便からの毒素検出試験が可能.他の検出キットは,いずれも分離菌株の毒素産生性試験のみ
検体量 糞便5g(本検査のみでは,1g以下で可能であるが,以後の検査に必要),または分離した大腸菌株
日数 3時間(院内検査)~2日間(RPLA法)
目的 腸管出血性大腸菌感染症(感染症法では三類感染症)の診断
Decision Level
●陽性
[高頻度・可能性]腸管出血性大腸菌O157,O26,O111などの感染症による出血性大腸炎,急性胃腸炎,溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome;HUS),急性脳症などが疑われる [対策]糞便からの大腸菌の分離と,分離した大腸菌のベロ毒素(志賀毒素)産生性試験を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
腸管出血性大腸菌が,主に大腸に定着・増殖し,ベロ毒素を産生する.このベロ毒素の作用により,出血性大腸炎,HUSや急性脳症を起こし,死の転帰をとることもある.患者の約5%がHUSや急性脳症を併発し,併発した場合の死亡率は約5%である.特に幼小児や高齢者はハイリスクである.感染初期には,ベロ毒素が,糞便中や血中に放出されるので,そのベロ毒素を検出することにより本菌感染症を推定することができる.しかし,血中のベロ毒素は急速に血中から消失してしまうために,その測定
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