基準値 明確なカットオフ値はないが非喫煙者の正常所見は,細胞数1.2×105/mL,細胞分画がマクロファージ87±7%,リンパ球10±7%,好中球0.9±1.3%,好酸球0.2±0.6%,CD4/8比1.8程度といわれる.非喫煙者と喫煙者におけるBALF細胞所見は表208図を参照
測定法 グラム染色による総細胞数,細胞分画のカウント,フローサイトメトリーによるリンパ球サブセットの測定を行う
検体量 多量であるほど好ましい(最低2~3mL必要)が,信頼できる分析結果が得られる回収率は25%以上
日数 3~28日
目的 肺胞領域の細胞,液性成分を経気管支的に採取できることにより①病原微生物,感染症の原因菌の同定,腫瘍細胞の検出,②サルコイドーシス,間質性肺炎,過敏性肺炎その他のびまん性肺疾患の診断
NOTE *保険点数:2,500点(気管支ファイバースコピー)+200点(気管支肺胞洗浄法検査同時加算)
Decision Level
■回収液量減少,回収細胞数増加
[高頻度]喫煙歴
■性状と疾患(正常であれば白色混濁~透明)
●血性
[高頻度]肺胞出血
●血鉄細胞,ベルリン青色染色でヘモジデリン貪食細胞の検出
[高頻度]びまん性肺胞出血,Goodpasture症候群,特発性肺ヘモジデローシス
●白濁(米のとぎ汁様)した微細顆粒(PAS陽性)を含む
[高頻度]肺胞蛋白症
●悪性細胞の検出
[高頻度]肺胞上皮癌,癌性リンパ管症
●アスベスト小体
[高頻度]石綿肺
■細胞分画(表209図)
●リンパ球増加
[高頻度]ウイルス肺炎,過敏性肺炎 [高頻度・可能性]マイコプラズマ肺炎,肺結核,サルコイドーシス,放射性肺炎,慢性ベリリウム肺 [可能性]特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia;COP)〔特発性閉塞性細気管支炎・器質化肺炎(idiopathic bronchiolitis obl