診療支援
検査

下垂体前葉機能低下症
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

病態

 下垂体前葉の6つのホルモンのいずれか,もしくは複数の分泌低下による


[参考]

 間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き(平成30年度改訂),2019


異常値

・血中ACTH 10pg/mL以下の低値が多い.正常ないし軽度高値の場合は生物活性の乏しいACTHが分泌されている可能性がある

・ACTH分泌刺激試験(インスリン,CRHなど) 血中ACTHあるいはコルチゾールが低ないし無反応〔「インスリン負荷試験」の項,「CRH負荷試験」の項参照〕.CRHの1回投与でACTHが正常~過大反応を示し,コルチゾールが低反応を示すことがある.この場合は視床下部性ACTH分泌不全が疑われ,CRH連続投与でACTH,コルチゾールの反応が回復する

・血中コルチゾール 正常低値~低値

・尿中遊離コルチゾール(もしくは尿中17-OHCS) 低値

・血中TSH 低値~軽度高値.軽度高値の場合は生物活性の乏しいTSHが分泌さ

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