診療支援
治療

不整脈
arrhythmia
高木純一
(宮崎大学医学部小児科病院教授)

A.小児ならではのポイント

●小児の救急医療の現場において,不整脈に遭遇することはまれではなく,小児不整脈においては初期治療において無治療にて経過観察してよいものから,早急に治療施行しなければ致命的な血行動態をきたすものまである.

●小児期の不整脈の特色を十分理解したうえで治療にあたることが重要である.小児不整脈の特徴は以下の3点と考える.

①虚血性心臓病に起因するものでなく,無症状で特発性のものが多い.また治療を要することが少なく予後良好な場合が多い.しかし基礎心疾患のない場合予後良好とされる不整脈であっても先天性心臓病術後小児の場合は治療が必要となる場合があり,治療適応に関して症例ごとに異なることも特色である.

②運動時の心事故が多い傾向にある.

③予後自体は不整脈の重症度ならびに基礎心疾患に左右にされることが多い.


B.最初の処置

1頻脈性不整脈の場合

 上室性頻拍と心室性頻拍とでは治療法が異なるが

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