症候を診るポイント
●脾腫をみたら血液疾患,感染症,肝疾患を考える.
●発熱などを伴う急性脾腫と,慢性的,あるいは無症状の慢性脾腫に分類する.
●発熱を伴えば,感染症と血液疾患を考える.
▼定義
脾腫の医学的定義とは,文字どおり脾臓が腫大した状態を指す.成人の脾臓の重量は50~250gであり,年齢とともに減少するが,定義のゴールドスタンダードは脾臓の重量である.臨床的に脾臓を触れる臨床所見は脾腫と考えられてきたが,画像的評価では最大16%の患者で正常範囲であったと報告されているため,臨床的に脾腫を疑う患者では画像的な評価が必要となる.超音波所見では脾臓の長径×短径が40cm2以上であれば脾腫と考える.
▼病態生理
脾臓が腫大する機序としては,主に4つある.炎症性疾患(感染症・自己免疫疾患などの非感染症),血液疾患,門脈圧亢進,および代謝異常である.
▼初期対応
初期対応としてはまず,脾腫をきたす疾患で