診療支援
治療

1 ランゲルハンス細胞組織球症
Langerhans cell histiocytosis(LCH)
井上 義一
(国立病院機構近畿中央呼吸器センター・臨床研究センター・臨床研究センター長)

疾患を疑うポイント

●成人の喫煙者で,HRCTで,特徴的な肺囊胞を認める場合,肺のLCHを疑う.気胸を時に伴う.画像に比較して症状が乏しい.

●小児LCHでは,骨病変などの肺外病変が主体で肺病変はまれ.

学びのポイント

●LCH細胞の増殖と種々の炎症細胞浸潤と組織破壊を生じる.

●成人の肺LCHではまず禁煙.

●厚生労働省の小児慢性特定疾病であるが,指定難病ではない(2019年時点).

▼定義

‍ Langerhans(ランゲルハンス)細胞(LCH細胞)の増殖と臓器浸潤により,多臓器に多彩な臨床像を示す全身性の稀少疾患.1953年,Lichtenstein(リヒテンシュタイン)は3疾患〔好酸球性肉芽腫症,Hand-Schüller-Christian(ハンド-シュラー-クリスチャン)病,Letterer-Siwe(レテラー-ジーヴェ)病〕をヒスチオサイトーシスXとよんだが,現在はLCHに統一された〔第8章

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