疾患を疑うポイント
●自己免疫性,続発性遺伝性肺胞蛋白症がある.
●わが国の罹患率は,自己免疫性肺胞蛋白症で人口百万対1.65.
●自己免疫性肺胞蛋白症は,全体の90%以上を占め,抗GM-CSF自己抗体が病因である.
学びのポイント
●肺の末梢気道におけるサーファクタントの分解吸収に障害があり発症する.
●低酸素血症の原因は拡散障害と換気血流不均等による.
●胸部CT画像ですりガラス様陰影を呈する.
▼定義
肺胞蛋白症は図2-59図に示すように肺胞および呼吸細気管支内にリン脂質とサーファクタントアポ蛋白,血漿成分などが貯留するまれな疾患である.
▼病態
貯留している物質の大部分は,蛋白ではなく,リン脂質であることから,肺胞リポ蛋白症(alveolar lipoproteinosisあるいはalveolar phospholipoproteinosis)ともいう.このような病態は,サーファクタントの生成や輸送