疾患を疑うポイント
●小児~高齢者のいずれの年齢でも発症,女性に多い.
●重症の視神経炎,3椎体以上の長い横断性脊髄炎,延髄の最後野症候群(難治性吃逆,悪心・嘔吐).
学びのポイント
●重症の視神経炎と3椎体以上の長い横断性脊髄炎を主徴とする炎症性中枢疾患.また脳症候群(難治性吃逆,悪心・嘔吐を起こす延髄の最後野症候群など)も起こることがあり,この疾患の全体を視神経脊髄炎スペクトラム疾患(NMO spectrum disorders:NMOSD)とよぶ(本項では,視神経脊髄炎で統一する).視神経脊髄炎はDevic(デビック)病ともよばれている.
●成人例ではAQP4抗体が半数以上の症例で陽性で,病理学的にはアストロサイト傷害が主徴である.抗AQP4抗体陰性視神経脊髄炎の一部はMOG抗体が陽性であり,小児に多い.
▼定義
視神経脊髄炎は,当初は視神経炎と脊髄炎がほぼ同時に起こることから注目された.その後
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