疾患を疑うポイント
●発熱を伴う発疹がある(通常は発熱と同時に発疹が出現する).
●鼻汁,くしゃみ,咳嗽などのカタル症状は認められない.
●耳介後部,後頭部のリンパ節腫脹.
学びのポイント
●風疹ウイルスの飛沫感染,接触感染により起こる感染症で,発熱,発疹,リンパ節腫脹が特徴.
●発症した場合の典型的な経過は,発熱と同時に紅斑性斑状丘疹が顔から全身に広がり,平均3日で終息する.
●妊娠中に感染すると胎児に感染し,先天性風疹症候群を発症する〔特論(→)参照〕.
▼定義
風疹ウイルスの飛沫感染,接触感染により起こる発熱,発疹,リンパ節腫脹を伴う感染症である.
▼病態
風疹ウイルスはトガウイルス科ルビウイルス属に属するRNAウイルスで,エンベロープを有する.上気道分泌物からの飛沫感染,接触感染により発症し,麻疹と比べて感染力は弱く,不顕性感染が多い(感染を受けた者の25~50%).潜伏期間は通常16~18日,曝