診療支援
診断

片麻痺・単麻痺
Hemiplegia, Monoplegia
北川 一夫
(東京女子医科大学教授・脳神経内科)

診断のチェックポイント

定義

❶片麻痺は一側の上下肢(顔面を含む場合と含まない場合がある)の運動麻痺,単麻痺は四肢のうちの一肢の運動麻痺である。

❷通常,脳内を走行する錐体路の障害を反映する。橋より下方の障害であれば顔面筋力は保持される。

❸上肢の単麻痺は通常頸髄,上腕神経叢およびその遠位の末梢神経障害で,下肢の単麻痺は胸髄,腰髄,腰神経叢およびその遠位の末梢神経障害で生ずる。

❹脳血管障害をはじめとする中枢神経疾患で生じ,上肢単麻痺は腕神経叢障害,絞扼性末梢神経障害で起こることが多く,下肢単麻痺は腰椎椎間板ヘルニアなどの腰椎疾患で起こることが多い。

【1】病歴

❶片麻痺,単麻痺ともに発症様式,発症時の状況を詳細に聴取する必要がある。

発症様式:脳卒中を含む血管障害では突発発症が特徴的であるが,感染症,炎症性疾患では数日かけて症状が進行し,また腫瘍,変性疾患では緩徐に症状が進行する。

発症時の状況

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