診断のポイント
【1】冠危険因子の存在(重複することが多い)。
【2】無症状であることが多いが,高齢者に多く慢性心不全の一因となる。
【3】左室リモデリングによる慢性心不全症状や不整脈の症状を認める。
【4】急性心筋梗塞の既往。
【5】残存虚血が狭心症や無症候性心筋虚血を引き起こす。
緊急対応の判断基準
【1】心筋梗塞慢性期合併症としての,心不全・不整脈・残存虚血の急性増悪を認め,自施設での緊急対応が困難な場合,高次医療機関へ搬送する。
【2】移送中のバイタル変化に備え,心電図モニターの装着,末梢静脈ラインの確保,酸素投与の準備のうえ,移送を行う。
症候の診かた
【1】典型的胸部症状の欠如:陳旧性心筋梗塞では梗塞巣心筋はすでに壊死し,線維化・組織修復されているため梗塞巣に起因する胸痛症状は認めない。
【2】合併する心不全・不整脈の症状:心筋梗塞に伴い,心機能は低下し,左室リモデリングが進展するため,慢性心不全徴