診療支援
診断

拡張型心筋症
Dilated Cardiomyopathy (DCM)
尾上 健児
(奈良県立医科大学学内講師・循環器内科学)

診断のポイント

【1】心不全症状:呼吸困難,起坐呼吸,浮腫。

【2】胸部単純X線:心拡大,胸水,うっ血所見。

【3】バイオマーカー:脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)またはN末端プロBNP(NT-proBNP)上昇(BNP 40pg/mL以上・NT-proBNP 125pg/mL以上で軽度の心不全を,BNP 100pg/mL以上・NT-proBNP 400pg/mL以上で治療対象となる心不全を疑う)。

【4】心エコー検査:(びまん性)左室壁運動低下・左室腔拡大。

【5】冠動脈CTや冠動脈造影(coronary angiography:CAG)で冠動脈疾患の否定。

緊急対応の判断基準

【1】上記心不全症状や組織低灌流の所見(乏尿,チアノーゼ,四肢冷感,意識障害など)が急速に進行し,収縮期血圧<90mmHgと心原性ショックを呈する場合〔急性非代償性心不全(acute decompensated heart

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?