診療支援
診断

肺高血圧症
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Pulmonary Hypertension
片岡 雅晴
(慶應義塾大学専任講師・循環器内科)

診断のポイント

【1】肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)は10~30歳台,慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)では50歳台以降が発症年齢の頻度が高い。

【2】心電図・心エコーで肺高血圧症を疑う場合は,右心カテーテル検査での確定診断を考慮するか,肺高血圧症専門施設へ紹介を検討する。

緊急対応の判断基準

【1】右心不全合併の際はすみやかな入院加療が望ましい。

【2】右心不全合併の目安は,下肢浮腫・胸水・頸静脈怒張・消化管浮腫に伴う腹部膨満感や食欲不振。

症候の診かた

【1】心音:肺高血圧症に伴うⅡ音肺動脈成分の亢進が特徴的である。右心負荷に伴うものとして傍胸骨拍動・三尖弁閉鎖不全症に伴う汎収縮期雑音などがある。右心不全を呈すると,右心性Ⅲ音を認める。

【2】

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