診療支援
診断

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症
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Vancomycin-Resistant Enterococcal Infection
宮﨑 博章
(平成紫川会小倉記念病院・感染管理部部長)

 VREは,腸球菌が染色体もしくはプラスミド上にバンコマイシン耐性遺伝子を獲得し,バンコマイシンに耐性を示すだけでなく,一般的に多くの抗菌薬に耐性化する。臨床的には,VanA型,VanB型のEnterococcus faecalisE. faeciumが重要である。

診断のポイント

【1】VRE感染症は,VREが起炎菌となる感染症(敗血症・菌血症,術後創部感染,尿路感染症,急性心内膜炎,胆道感染や化膿性脊椎炎や血管内留置カテーテル関連血流感染症)である。

【2】一般的に,高齢者,糖尿病,悪性腫瘍,心疾患,移植,手術後患者などの基礎疾患をもつ易感染者で発症する。

【3】便,喀痰などから検出された場合は,臨床所見を考慮して,定着もしくは感染症か診断する。

【4】VREは特定の地域でアウトブレイクが報告されており,流行地域からの患者からの持ち込みに注意する。

症候の診かた

【1】感染部位により,症状はさまざ

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