頻度 ときどきみる
GL膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2020
ニュートピックス
・国際ガイドラインで,膠原病も含めた線維化を伴って疾患進行をきたす進行性肺線維症(PPF:progressive pulmonary fibrosis)の概念が定義され,抗線維化薬(ニンテダニブ)による治療が推奨された.
治療のポイント
・膠原病は炎症主体の病態であることから,各疾患とも初期治療は免疫抑制薬など抗炎症薬を考慮し,そのうえで線維化を伴って疾患進行をきたす症例で抗線維化薬の適応を判断する.
・一方で抗炎症薬と抗線維化薬の投与のタイミングおよび順番についてのエビデンスはきわめて少ないため,リウマチ膠原病専門医および呼吸器専門医双方の合議による治療決定が望ましい.
◆病態と診断
A病態
・膠原病には気道病変や胸膜病変など,さまざまな病変が合併するが,間質性肺疾患は頻度が高く予後に与える影響も大きい.
・各膠原病ごとに疾患進行に関連する間質性肺疾患の病型(発症様式や画像,組織パターン)に違いがある.通常型間質性肺炎(UIP:usual interstitial pneumonia),非特異性間質性肺炎(NSIP:nonspecific interstitial pneumonia),器質化肺炎(OP:organizing pneumonia)などが代表的なパターンだが,複数病変合併例も多い.
・特発性間質性肺炎のなかにも膠原病的背景を有する症例が存在し,IPAF(interstitial pneumonia with autoimmune features;自己免疫性疾患の特徴を伴う間質性肺炎)の定義を用いて検討されており,経過中に10~15%が膠原病を発症する.
B診断
・理学所見で胸部聴診上のfine crackleは重要な所見である.胸部X線写真で網状陰影,時に浸潤影などがみられるが軽症例では過去