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GLH. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版
◆病態と診断
A病態
・1982年にWarrenとMarshallによりH. pyloriが発見され,その後の研究により本菌が慢性萎縮性胃炎,胃癌や胃MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫などの原因であることが明らかとなった.
・本邦では2013年にH. pylori感染胃炎に対する除菌治療に保険適用が承認され,その後は毎年130~140万人の感染者が除菌されており,今後H. pylori感染者の減少が予想される.
・除菌治療の普及により,本邦におけるH. pyloriの感染率は,1970年代の75%から,2010年代には35%まで減少しており,今後さらに低下するとみられる.
・上記の状況から,今後はH. pylori感染胃炎に加え,胃癌や胃MALTリンパ腫の罹患者も減少すると考えられる.
・一方,近年はH. pylori除菌後胃癌の増加が新たな問題となっている.H. pylori感染胃癌と異なり,除菌後胃癌は診断が困難なことが多く,慎重な内視鏡および病理診断が必要である.
B診断
・慢性萎縮性胃炎の患者は無症状であることが多いが,心窩部痛,悪心,胸やけ,胃もたれ感をきたす例がある.
・萎縮性胃炎の内視鏡診断には,木村-竹本分類が有用である.
・H. pyloriの感染診断には,上部消化管内視鏡所見に加え,生検法(迅速ウレアーゼ試験,鏡検法,培養法)や尿素呼気試験,便中抗原法,抗体法(血清・尿中)などがあり,複数検査の併用により感染診断の精度が向上する.
◆治療方針
A1次除菌治療
Px処方例 下記1)~3)を併用する.あるいはパック製剤として4),5)のいずれかを用いる.
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