診療支援
治療

アミロイドーシス
amyloidosis
竹田勇輔
(千葉大学大学院診療講師・内分泌代謝・血液・老年内科学)

頻度 あまりみない

GL2020年版心アミロイドーシス診療ガイドライン

GLアミロイドーシス診療ガイドライン2010

GL腎アミロイドーシスガイドライン2020

治療のポイント

・多彩な症状を示すため,診断が確定しない臓器障害ではアミロイドーシスの可能性を考える.

・病型,病態に応じた治療法の開発が進んでいる.組織に沈着するアミロイドの証明と,その種類の同定を早期に行うことが,治療方針決定に重要である.

◆病態と診断

A病態

・アミロイドーシスは,折りたたみ異常をきたした線維状のアミロイド蛋白が全身の臓器に沈着する疾患の総称である.前駆蛋白質により分類され,主要な病型にAL型,AA型,ATTR型(遺伝性と野生型),Aβ2M型(透析性)などが存在する.また,分布により全身性,限局性に分類される.

・本項では,主に全身性のALアミロイドーシスとAAアミロイドーシスについて解説する.以下については各項を参照のこと[野生型ATTRアミロイドーシス:「心アミロイドーシス」の項(),遺伝性ATTRアミロイドーシス:「アミロイドニューロパチー」の項(),Aβ2Mアミロイドーシス:「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(血管石灰化,アミロイド骨関節症を含む)」の項(),限局性アミロイドーシス:「皮膚アミロイドーシス」の項()を参照].

B診断

・アミロイド蛋白が沈着した臓器(心臓,腎臓,肝臓,消化管,神経,軟部組織,肺など)により症状が異なり,多彩な症状を示すため,しばしば診断に難渋する.診断が確定しない臓器障害を認める症例では,積極的にアミロイドーシスの可能性を考えることが重要である.

・アミロイドーシスの診断には,生検によりアミロイド蛋白の沈着を証明する必要がある.アミロイドーシスを疑う場合は,臨床医が病理医に適切な情報提供を行い,コンゴーレッド染色の実施を依頼することが重要である.

・アミロイド蛋白が沈着

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