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GL小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022
ニュートピックス
・COVID-19の小児肺炎に対しては抗ウイルス薬治療を行う.
治療のポイント
・全身状態,経口摂取,呼吸・循環・意識の状態を把握する.
・マイコプラズマ肺炎を除く市中肺炎の第1選択薬はペニシリン系薬である.
・マイコプラズマ肺炎,クラミジア肺炎の第1選択薬は,マクロライド系薬である.
・肺炎では,年齢により原因微生物が異なるため,治療選択薬も異なる.
◆病態と診断
A病態
・急性呼吸器感染症の症状を伴い,胸部X線などの画像検査において,肺に急性に浸潤影を認める.
・種々の病原微生物が気管支上皮,間質,肺胞に炎症を起こし,炎症細胞浸潤,浮腫,滲出液貯留,フィブリン析出などが起こる.
・発熱,咳嗽,喘鳴などの症状のほか,換気量や血液ガス交換の低下から,呼吸障害を生じる.
・年齢により原因微生物が異なる.
1.生直後~生後20日
・経産道によるB群レンサ球菌,大腸菌などのグラム陰性腸内細菌目細菌,リステリア菌が重要である.サイトメガロウイルスによる肺炎も起こりうる.
・まれに,汚染された水の吸引により,重篤なレジオネラ感染症も報告される.
2.生後3週~3か月
・産道からのトラコーマ・クラミジア,市中からのRSウイルス,パラインフルエンザウイルス3型のほか,肺炎球菌,百日咳菌が重要である.
・黄色ブドウ球菌性肺炎はまれであるが重篤化しやすい.
3.4か月~4歳
・RSウイルス,パラインフルエンザウイルス,インフルエンザウイルス,アデノウイルス,ライノウイルスなどの市中のウイルスのほか,肺炎球菌,インフルエンザ菌などが重要である.年齢が高くなってくると,肺炎マイコプラズマがみられる.
・国内での結核はまれである.
4.5~15歳
・肺炎マイコプラズマが最も多い.そのほか,肺炎クラミジア,肺炎球菌,まれに結核がある.
5.免疫不全児
・基礎疾患のない児には