腹水の原因
◉腹水の原因としては肝硬変が最も多い.
◉急性腹症における腹水は重篤な疾患を示唆することが多い.
◉亜急性の経過で増加する腹水は,特発性細菌性腹膜炎,結核性腹膜炎,癌性腹膜炎などを疑い精査する必要がある.
◉CT値≧20HUであれば血性腹水が疑わしく,腹腔内出血を考える.
●腹水の原因疾患(n=901)図
●機序による腹水の分類図
腹水貯留の病歴
◉肝疾患の既往がある患者において,下腿浮腫に加え腹部膨満が生じれば腹水貯留の可能性が高い.
◉下腿浮腫の既往がなければ,肝硬変による腹水の存在は否定的である.
◉腹囲の変化はベルトやズボンのサイズで判断できることもあるが,肝硬変患者では腹囲と体重を定期的に測定することが望ましい.
●腹水の診断図
腹水貯留患者の診察
◉視診上,腹部膨隆がなく,側腹部に濁音がなければ腹水貯留は否定的である.
◉側腹部に濁音がある場合,濁音界が体位で移動することが確認されれば腹水を強