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14 腹水総論

腹水の原因

腹水の原因としては肝硬変が最も多い.

急性腹症における腹水は重篤な疾患を示唆することが多い.

亜急性の経過で増加する腹水は,特発性細菌性腹膜炎,結核性腹膜炎,癌性腹膜炎などを疑い精査する必要がある.

CT値≧20HUであれば血性腹水が疑わしく,腹腔内出血を考える.

腹水の原因疾患(n=901)

機序による腹水の分類


腹水貯留の病歴

肝疾患の既往がある患者において,下腿浮腫に加え腹部膨満が生じれば腹水貯留の可能性が高い.

下腿浮腫の既往がなければ,肝硬変による腹水の存在は否定的である.

腹囲の変化はベルトやズボンのサイズで判断できることもあるが,肝硬変患者では腹囲と体重を定期的に測定することが望ましい.

腹水の診断


腹水貯留患者の診察

視診上,腹部膨隆がなく,側腹部に濁音がなければ腹水貯留は否定的である.

側腹部に濁音がある場合,濁音界が体位で移動することが確認されれば腹水を強

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