細胞性免疫不全に合併する代表的な日和見感染症である.
▼定義
Pneumocystis jirovecii(ニューモシスチス・イロベチイ)による肺炎である〔第11章「ニューモシスチス症」の項(→)も参照〕.
▼病態・病理像
P. jiroveciiはI型肺胞上皮に定着し,免疫不全の進行により発症すると肺胞腔内に泡沫状の滲出物が出現する.進行すると硝子膜の形成,肺胞上皮の腫大,間質の増殖と線維化が進行する.
▼症状
発熱,咳嗽,呼吸困難が主要な症状である.非HIV感染症患者では急速な経過をとりやすいが,HIV感染症患者では比較的亜急性に進行する.
▼身体所見・検査所見
頻呼吸を認める.胸部聴診上はラ音が聴取されることは少ない.血液検査ではLDHの上昇とβ-D-グルカンの上昇を認める.呼吸不全を反映し,PaO2の低下とA-aDO2の開大を認める.胸部X線では肺野のすりガラス様陰影が特徴で,進行
関連リンク
- 新臨床内科学 第10版/5 ニューモシスチス症
- 治療薬マニュアル2024/アトバコン《サムチレール》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)《バクタ バクトラミン》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)《バクトラミン》
- 臨床検査データブック 2023-2024/サーファクタントプロテインA〔SP-A〕 [保] 130点
- 新臨床内科学 第10版/4 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
- 新臨床内科学 第10版/2 アスペルギルス症
- 今日の診断指針 第8版/ニューモシスチス肺炎
- 今日の診断指針 第8版/マイコプラズマ肺炎
- 今日の診断指針 第8版/肺真菌症
- 今日の診断指針 第8版/アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
- 今日の診断指針 第8版/急性好酸球性肺炎
- 今日の診断指針 第8版/オウム病