診療支援
治療

循環障害肢切断の適応
Decision making of amputation for ischemic limb
赤井 隆文
(国保旭中央病院 主任医長(血管外科)〔千葉県旭市〕)

【疾患概念】

 循環障害肢をきたす疾患としては閉塞性動脈硬化症(ASO)が最も頻度が高く,その他閉塞性血栓血管炎(Buerger病)や急性動脈閉塞症,強皮症などの膠原病に伴う血管炎をベースとした循環障害や,糖尿病性壊疽などが挙げられる.下肢の虚血をきたしている病態は,下肢末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)とよばれる.また広義の循環障害としては,深部静脈血栓症や下肢静脈瘤,まれな疾患では動静脈瘻などに伴ううっ滞性潰瘍・壊死も挙げられるが,切断の適応になることはまれである.

【病態】

 ASOなどの詳細については,本章の他項を参照いただきたい.切断の適応となるものは,潰瘍・壊死をきたした病態である.PADが重症化した病態を重症虚血肢とよぶが,近年では包括的高度慢性下肢虚血(chronic limb threatening ischemia;CLTI)という

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