緊急処置
【1】心性浮腫:浮腫が急激に悪化し,心機能に異常があり急性心不全症状を疑う場合は,迅速に診断し,初期対応として利尿薬投与を検討する。
【2】静脈性浮腫:深部静脈血栓症による下腿浮腫で,全身状態不良あるいは近位部にある浮遊性血栓を認めた場合は,急性肺血栓塞栓症を併発するリスクがあるので入院加療により抗凝固療法(未分画ヘパリン,フォンダパリヌクス,経口抗凝固薬)を行う。抗凝固療法が禁忌の場合,または,抗凝固療法が可能でも残存血栓の再度の塞栓化により致死的となりうる肺血栓塞栓症に対しては,下大静脈フィルター留置を考慮する。
診断のチェックポイント
【1】病歴
❶心性
■高血圧を代表とする生活習慣病や心筋梗塞などの心疾患の既往。
■浮腫や体重増加。
❷静脈性
■術後,長時間安静などおよび癌既往の血栓形成リスクの有無(表1図)。
■局所性の下腿疼痛。
❸血管性:薬剤性あるいは遺伝性
【2】身体所見
圧痕性か非圧痕