診断のポイント
【1】閉経後の女性。
【2】先行するストレスを有することが多い。
【3】心室の壁運動異常は冠動脈支配では説明できない。
【4】心筋逸脱酵素上昇は軽度。
【5】壁運動異常にはさまざまなバリエーション。
症候の診かた
【1】胸痛:最も多くみられる症状だが,心筋梗塞よりも軽微であることが多い。高齢患者では無症状もある。
【2】呼吸困難:肺うっ血を伴う症例が20%ほどある。胸部圧迫感からくる症状を訴えている可能性もある。
【3】失神:形態的もしくは不整脈出現に伴って低心拍出状態に陥った場合に出現する。
検査所見とその読みかた
【1】スクリーニング検査:急性心筋梗塞と同様の血液・生化学検査所見を有するも,壁運動に比してクレアチンキナーゼやトロポニンなどの心筋逸脱酵素の上昇は少ない。
【2】心電図
❶心尖部無収縮となる典型例急性期では,aVRでSTが低下し,V1でST上昇を認めないことが多く,両方を満たすと診断