日本紅斑熱は,紅斑熱群に属するリケッチア感染症(spotted fever group rickettsioses:SFGR)で,マダニ類により媒介される急性熱性発疹症である。
診断のポイント
【1】野山への立ち入りの既往。
【2】マダニとの接触歴。
【3】発熱,発疹,刺し口が3徴候。
【4】瘙痒感のない発疹。
【5】CRP陽性。
緊急対応の判断基準
高熱の持続,意識障害,脳炎,心筋炎,播種性凝固症候群,多臓器不全。
症候の診かた(図1図)
2~8日の潜伏期を経て急激に発症する。
【1】発熱
❶急性期には39~40℃以上の弛張熱が多く,悪寒戦慄を伴う。
❷重症例では40℃以上の高熱が稽留する。
【2】発疹
❶高熱とともに手足,手掌,顔面に米粒大から小豆大の辺縁が不整形の紅斑が多数出現する。
❷瘙痒感,疼痛がないのが特徴的。
❸初期にはガラス圧により消退する。
❹すみやかに全身に広がる。
❺病初期の手掌部の紅斑は紅斑熱に特