診療支援
診断

家庭用薬品中毒(界面活性剤・次亜塩素酸ナトリウム・六一〇ハップを含む)
Household Chemicals Poisoning
林 宗博
(日本赤十字社医療センター・救命救急センター長)

診断のポイント

【1】誤使用による中毒がほとんどである。

❶乳幼児の誤飲事故が圧倒的に多い。

❷認知症・高齢者の誤飲・異食などが注目される。

【2】緊急度の高い中毒を呈する薬品はまれである〔よほどの大量摂取(曝露)でない限り〕。

症候の診かた

【1】消化器症状:悪心,嘔吐,下痢が主体。

【2】成分により,以下のような症状を示す。非特異的な症状がほとんどである。

❶顔面紅潮

❷頭痛

❸眼・鼻咽頭粘膜刺激症状

❹気道刺激症状

検査所見とその読みかた

【1】血液ガス分析(動静脈血どちらでも):アシドーシスの存在を認知する。

【2】尿性状:色調を確認する。

【3】呼気臭:薬品特有の臭いを確認する。

確定診断の決め手

【1】誤用した薬品あるいはその容器から中毒作用物質を確認する(検索して薬品の特徴を確認する)。

【2】いつ,どのように服用したのかを明らかにする。

【3】曝露量(服用・吸入)を可能な限り算出して,中毒量あるいは致死量に達し

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