診療支援
診断

小児の心筋炎
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Myocarditis in Children
山岸 敬幸
(慶應義塾大学教授・小児科)

診断のポイント

【1】感冒・胃腸炎様の前駆症状。

【2】心音減弱,奔馬調律,心拡大。

【3】心電図異常。

【4】心エコー図上,心機能低下,心囊液貯留。

【5】心筋逸脱酵素の上昇。

緊急対応の判断基準

 小児で心筋炎が疑われたら,小児救命救急管理が可能な施設への搬送を考える。心不全と不整脈を適切に管理して,循環動態の破綻を防ぐ必要がある。

症候の診かた

【1】前駆症状:多くの場合に伴う。前駆症状としては感冒様症状(発熱,咽頭痛,咳嗽,関節痛,易疲労性など),消化器症状(食欲不振,腹痛,嘔吐,下痢など)が多い。

【2】聴診所見:心音減弱,奔馬調律を認めることが多い。僧帽弁閉鎖不全などの収縮期雑音を聴取することもある。

【3】心症状:心不全(頻脈,頻呼吸,起坐呼吸,浮腫,頸静脈怒張,末梢循環不全など),胸痛,動悸,Adams-Stokes発作などがみられる。

検査所見とその読みかた

【1】胸部X線写真

❶急性期に心拡大が急

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