適応
心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫
用法
1日1回60mg(増減)
禁忌
1)無尿(効果が期待できない)
2)肝性昏睡
3)体液中のNa,Kが明らかに減少(電解質異常)
4)デスモプレシン(男性における夜間多尿による夜間頻尿)投与中
5)過敏症(スルフォンアミド誘導体)
注意
〈基本〉
①利尿効果は急激に現れる為,電解質異常,脱水に注意し,少量から開始して,徐々に増量
②連用する場合,電解質異常が現れるので定期的に検査
③夜間の休息が特に必要な患者には,夜間の排尿を避ける為,午前中に投与が望ましい
患者背景
〈合併・既往〉
①重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症(急激な利尿が現れた場合,急速な血漿量減少,血液濃縮を来し,血栓塞栓症を誘発)
②本人又は両親,兄弟に痛風,糖尿病(痛風発作.糖尿病が悪化)
③下痢,嘔吐(電解質異常)
④手術前
⑤減塩療法時(低Na血症)
〈腎〉重篤な腎障害(排泄遅延により血中濃度上昇)
〈肝〉
①肝性昏睡:禁忌(低K血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化)
②進行した肝硬変症(肝性昏睡を誘発)
③肝疾患・肝機能障害(肝性昏睡を誘発)
〈妊婦〉妊婦(2~6カ月)又は妊娠している可能性には,有益のみ(動物で,生後には消失する一過性の骨格異常) 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止(類薬において,動物で母乳中移行する報告)
〈小児〉
①低出生体重児(腎石灰化症)
②乳児(電解質バランスが崩れ易い)
〈高齢〉以下に注意し,少量から開始等慎重に
①急激な利尿は血漿量の減少を来し,脱水,低血圧等による立ちくらみ,めまい,失神等を起こす
②特に心疾患等で浮腫のある場合は急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し,脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発
③低Na血症,低K血症が現れ易い
相互
〈併用禁忌〉デスモプレシン(男性における夜間多尿による夜間頻尿):低Na血症が発現(共に発現) 〈併用注意〉
1)昇圧アミ
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