基準値 陰性
測定法
①CDトキシン検出と中和試験 (cell culture cytotoxicity neutralization assays):Human diploid fibroblastsのような培養細胞を用いて行われる試験である.労力がかかるので検査室レベルでは行われない
②下痢便からの毒素産生CDの分離(toxigenic culture法):CCFA(CCMA)などCD選択分離培地でのCDの分離とその毒素の検出は高感度な試験法であるが,労力と時間(3日以上)がかかる点が問題である
③酵素抗体法(EIA)による下痢便中のCDトキシンの検出:トキシン Aとトキシン Bを対象にする.市販のキットを利用して,簡便・迅速に実施できる.ただし,低感度が問題で,偽陰性に対する対策が必要になる
④EIA(イムノクロマト)法によるCDトキシン抗原とGDH抗原の検出:迅速診断として簡便な毒素抗原検出法である③にGDH抗原検出を組み合わせた方法.トキシン抗原陰性でもGDH抗原陽性の場合は,C. difficileの存在が示唆される.毒素についての追加試験が必要になるが,③の毒素抗原のみの検査による見落としの頻度を下げることができる.特別な器機が必要なく,現状では臨床検査室では最も実施しやすい方法
⑤ELFA(enzyme linked fluorescent assay)法によるトキシンA,トキシンB抗原の検出:専用の測定器機が必要
検体量 新鮮便.軟便あるいは液状便(ブリストルスコア 5以上の便が対象.固形便は検査対象とすべきではない).バンコマイシン,メトロニダゾール投与前に採取する.必要量は試験法により異なるが,培養法も含めたより信頼度の高い検査を実施するには,5mL以上採取する.
日数 測定法③~⑤では30分~数時間,②のtoxigenic cultureを行うと最低2日の検査日数が
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