診療支援
診断

気胸
Pneumothorax
浅井 一久
(大阪市立大学大学院准教授・呼吸器内科学)

 気胸とは,胸膜の破綻により胸膜腔(臓側胸膜と壁側胸膜の間のスペース)に空気が貯留し,肺が虚脱した状態である。胸膜下の気腫性肺囊胞(ブラ・ブレブ)の破綻が原因となる自然気胸が気胸の大部分を占める。自然気胸には,肺疾患を有さない者に生じる原発性自然気胸と,先行する肺疾患を有する者に生じる続発性自然気胸がある。

診断のポイント

【1】突然の胸痛,呼吸困難が初発症状となることが多いが,症状に乏しい場合もある。

【2】肺虚脱が高度であれば,胸部聴打診において,患側の呼吸音の減弱と鼓音を認める。

【3】胸部単純X線写真や胸部CTで,肺虚脱を認める。時に,患側胸腔内に液体貯留(胸水,血気胸)を認める。

【4】原発性自然気胸は,いわゆる気胸体型(長身,痩身で細長・扁平型胸郭)の10~20歳台の若年男性に多い。発症リスクとして,喫煙,気胸の既往歴,家族歴が知られている。

【5】続発性自然気胸の基礎疾患は慢性閉塞性肺疾

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