レジオネラ症は,予後良好なポンティアック熱型と重症例の多い肺炎型(レジオネラ肺炎)とに分類され,ここでは主にレジオネラ肺炎について述べる。
診断のポイント
【1】急速進行性で重症の肺炎やβ-ラクタム系抗菌薬が無効な肺炎を診た場合に,まず,レジオネラ肺炎を鑑別に挙げることが重要である。
【2】意識障害や下痢などの多彩な症状や肝機能障害などの検査値異常を伴いやすく,浸潤影に比して低酸素血症が強い。
【3】胸部画像所見は,大葉性肺炎パターンで,非区域性の分布・浸潤影とすりガラス影との混在所見が主体である。
【4】β-ラクタム系抗菌薬やアミノグリコシド系抗菌薬が無効である。
【5】従来の血清型1のみならず,1~15のすべてを対象とした尿中レジオネラ抗原検査や気道検体からの核酸増幅法などを用いたさまざまな迅速診断法を試みる。
症候の診かた
【1】水系や塵埃などの感染源への曝露から発症までに2~10日前後を要する。