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雑誌目次

論文

臨床検査13巻6号

1969年06月発行

雑誌目次

カラーグラフ

比色定量分析の色・1

著者: 松村義寛 ,   小峰仙一

ページ範囲:P.450 - P.451

 光電比色計の信頼度が向上するにつれて,比色分析法は検査室で最も多く採用される方法となった.単色光を用いる機器分析として種種の妨害を排除することができるので,試薬・試料に混在する汚染による影響を除去してはいるが,分析法のコントロールのためには肉眼による観察もたいせつなことである.よく使われる方法について,カラー写真を掲げるので参考にされれば幸いである.

グラフ

滅菌テスト・1—外科用材の滅菌テスト

著者: 古橋正吉 ,   新井初音 ,   上野温子

ページ範囲:P.453 - P.457

 手術器械やリネン材料の滅菌には,高圧蒸気滅菌(オートクレープ)や酸化エチレンによるガス滅菌がひろく用いられている.しかし,滅菌装置によって滅菌が完全に行なわれたか否かを,常に調べておく必要がある.この滅菌効果確認のためにしばしば行なわれるのが,細菌培養法とケミカルインジケータといって,一種の検知カードを用いる方法である.細菌培養は確実だが,結果を得るまでに多少時間を要し,毎常実施できぬうらみがある.一方,検知カードの場合は,滅菌後ただちに結果が判明し,判定も簡単である.以下,病院で行なっている滅菌テスト法の1例を,順を追ってお目にかけよう.

滅菌テスト・2—注射液,その他の滅菌テスト

著者: 岩原繁雄

ページ範囲:P.458 - P.460

 無菌試験はふつう,一定条件の下で培養法によって微生物の有無を調べる方法を意味する.したがって,死んだ微生物や培養の困難な微生物は検出できない.その方法は‘日本薬局方’を参照されたい.
試験法そのものは一見簡単そうに見えるが,あらこちに‘おとしあな’があるので,微生物の培養や無菌操作によく習熟した人が行なった成績でないと信頼がおけない.

代謝経路と臨床検査・6

尿素サイクル

著者: 松村義寛

ページ範囲:P.462 - P.463

 タンパクが異化過程をたどるとペプチド鎖は切断されてアミノ酸となり,アミノ酸プールにはいる.プール中のアミノ酸はそれぞれの異化過程をとるが,いずれにしてもアミノ基転移によりグルタミン酸あるいはアスパラギン酸となる.
 これらのアミノ基のうちカルバミルリン酸となったものはオルニチンへはいり,アスパラギン酸にはいったものはシトルリンへ転移され,アルギニンのアミジン基を形成し,アルギナーゼにより尿素を生成して尿中に排泄されるのである.

総説

生成機序からみたタンパク尿

著者: 河合忠

ページ範囲:P.465 - P.469

正常尿のタンパク組成
 正常尿のほとんどの場合に尿タンパク定性試験が陰性である.しかし,もっとも鋭敏な検査法の1つであるスルフォサリチル酸法で陰性であるからといって,尿の中にタンパクが0であるということではない.正常尿中にも1日に40-80mg程度のタンパクが排泄されている.スルフォサリチル酸法でも1日に100mg以上のタンパクが出ないと検出できないというわけである。
 正常尿中に含まれるタンパクの由来は図1のごとくまとめることができよう.すなわち,約40%は主として細尿管に由来する組織タンパクで占められている.残りの約60%は血液に由来する血清タンパクで,正常の糸球体基底膜の"ふるいの目"を通過して尿中に漏れ出てくる.正常尿をセルロースアセテート電気泳動法で分析すると,図2のようなタンパク分画像がえられる.すなわち,alb分画が約40%を占め,グロブーリン領域の分離は悪くα2とβの領域に1つの峰を形成している.主としてα2分画に比較的大きな峰をつくっているのが,前述の組織タンパクである.

技術解説

新規格による心音計の使い方と効用

著者: 吉村正蔵 ,   小原誠

ページ範囲:P.470 - P.476

はしがき
 われわれが心臓や血管病を診断する場合,心音,心雑音を聴いて(聴診)心疾患を発見する場合がかなり多い.1819年レンネックが聴診器を発明してから,聴診法は臨床的に広く使用されて,医者のシンボルとさえなっている.しかし聴診法は長期間の経験と習練を必要とし,また個人差があり,客観性に欠ける欠点があった.
 しかしながら近年エレクトロニクスの長足の進歩により,一般臨床医および臨床検査技士にも容易に操作できる心音計が開発され,現在,心臓病の臨床検査項目の1つとして欠くことのできないものになっている.特に心電図でも比較的診断のつけにくい弁膜症,先天性心奇形では心音図が大いに活用される1).したがって心音計は心電計についで普及されつつある現状である.しかしこれまでは心音計には統一した規格がなく,研究者,メーカーによって異なり,多種多様であった.したがって異なった心音計で記録した心音図を比較検討するのは困難であった.

細血管抵抗試験

著者: 山田外春 ,   松本常男

ページ範囲:P.477 - P.481

細血管抵抗試験の意義
 血液循環系において,毛細血管壁の健全は,最も重要な生理的条件である.もし,毛細血管が病的因子のため障害を起こした場合には,内被細胞の滲透作用が異常に働き,血液成分は血管外との平衡を失って,あるいは水分代謝に変化をきたして電解質の滲出をみ,さらには有形成分にまで病変が及ぶ場合がある.毛細血管壁を赤血球が透過するようになれば,溢血であり,臨床的には紫斑病といわれる状態になるわけで,毛細血管壁の状態を知ることは,出血性素因の診断上重要なる検査事項となるのである.
 毛細血管の生理的状態や機能の異常を知る方法としては,毛細血管血圧測定,皮膚毛細血管撮影,毛細血管透過性測定,毛細血管抵抗性測定等が行なわれており,透過性の亢進と抵抗性の減弱はその性質を異にするものである.しかし,これを厳密に区別することはできないことが多い.

雑菌性真菌(1)

著者: 山下憲治

ページ範囲:P.482 - P.487

はじめに
 雑菌性真菌(fungal contaminants)とは,病的材料の培養に際し,空中から落下し混入した真菌や,また生体に常在している常在真菌(residents),一時的に生体に存在していた仮寓真菌(transients)などが,病的材料とともに接種されて,培地に生えてきたものであって,培養目的の病原真菌ではないもののことである.
 それには,はなはだたくさんの種類があり,その同定は真菌学専門家でないと非常に困難であるが,普通によくみられる雑菌性真菌のいくつかについて,簡単に非専門家むぎに解説してみよう.
 ただし,ここに述べる菌は常に非病原菌とは限らない.Aspergillusの数種はもちろんのこと,Scopulariapsis,Penicillium,Cladosporium,Mucor,Absidia,Rhizopusのあるものは,ときに明らかな病原菌であることがある.

ひろば

医学書院器械KK"クンケル・チモール試薬"使用上の2,3の条件

著者: 大林弘幸

ページ範囲:P.487 - P.487

 肝機能検査として膠質反応の意義はいまさらいうに及びませんが,膠質反応試験試薬はいずれの検査室においても作製は煩わしいものです.特にチモール試薬においては,作製法を正しく守ったとしても時としてじょうずにできない場合があります.これには試薬の純度をはじめとして,ちょっとした作製上のミスなど多くの原因があると考えられます.われわれも時としてそのような不運に遭遇することがありました.このような場合この検査法の測定値の変動を考えますとまことに不安なものです.
 そこでキット試薬の採用を考え各社キットを選定しましたが,アンプル封入などにより製品化より入手までの変化の少ないもの,開封後の試薬の安定性などを考慮し,医学書院器械KKクンケル・チモール試薬中検用を選定しました。

臨床検査の問題点・6

螢光抗体法による臨床検査

著者: 川村明義 ,   島本剛

ページ範囲:P.488 - P.493

 螢光抗体法は,わたしたちの身近な検査の1つになりつつある.そこで,螢光抗体法を実際に取り入れる場合の注意,他の検査法との違いなどについて,きいてみよう.

主要疾患と臨床検査・6

糖尿病と臨床検査

著者: 伊藤徳治

ページ範囲:P.494 - P.498

 糖尿病を放置すれば,一部のものは短期間のうちに糖尿病性昏睡に陥って死亡し,他は合併症のために寿命が短縮しあるいは社会生活上重大な支障を生ずることが多いが,現在,これを根治させる治療法はない.したがって,今日,糖尿病患者を診療する目的は,第1に,最も恐るべき糖尿病性昏睡による死亡を防ぐこと.第2に,糖尿病にみられる諸代謝異常を正常化し,この状態を一生つづけること(これをよいコントロールをつづけるという).第3に,これによって糖尿病の合併症を予防し進行をくいとめ,あるいはおくらせる二とである.診療に必要な臨検床査も,これらの目的に応じて分けられる.

1ページの知識 生化学

中和法—特に指示薬について

著者: 永井諄爾

ページ範囲:P.499 - P.499

中和法とは酸または塩基と定量的に反応する試料に,酸またはアルカリの標準液を加え,適当な方法でその反応の終末点を知り,加えた標準液の容量から試料の含有量を求める方法である.その反応がどのようなものであろうと,この反応の主要な点は,酸のHと塩基のOH—とが結合して
       H+OH→H2O電離度がきわめて小さいところの水を生じることである.

血液

血球計算の誤差をなくすには(6)

著者: 大橋辰哉

ページ範囲:P.500 - P.500

血小板算定
 Fonio法(間接法)でやる血小板算定で注意することの第1は,やはり塗抹標本の作り方である.
 まず,耳朶採血が静脈血よりよいが,そのとぎ最初の1,2滴は捨て,硫苦液を切創口に1滴のせてから,血液を湧出させ(この順序を逆にやると,血小板は凝集してしまう),その場所でただちに静かにかくはんする.激しく頻回にかくはんすると,血小板は破壊されてしまう.このときの血液と硫苦液の比は,1:2-3とする.硫苦は血小板凝集を防ぐためであるから,多めのほうがよい.塗抹は赤血球と血小板が重ならぬよう薄目のほうがよい.

血清

生体内抗原性

著者: 安田純一

ページ範囲:P.501 - P.501

完全抗原とハプテン
 ある物質の抗原としての特異性を調べる方法の1つは,実験動物に注射して特異的な抗体が産生されるかどうかを見ることである.ある病気に罹患すると,一定期間(ときには終生)その病気に対して免疫を獲得することは,太古以来知られていた.これが病原体の感染によって特異的な抗体が産生された結果であるとわかったのが,今日の免疫学・血清学の基礎であることは申すまでもない.しかし,試験管内で対応抗体と特異的に反応することと,生体に注射ざれたとき抗体を産生することとは,常に相伴って起こるわけではない.
 たとえば,梅毒血清反応の類脂体抗原は,そのままウサギに注射しても抗体を作らせることはできないが,すでに(たとえば梅毒感染によって)産生されている抗体と試験管内て抗原抗体反応(補体結合反応,沈降反応)を起こす.

細菌

腸内細菌科の菌(2)

著者: 木村貞夫

ページ範囲:P.502 - P.502

3.検査
(1)分離培地(病原菌分離用)
 SS (Salmonella-Shigella)寒天培地を中心とし,その変法培地が目的に応じて使いわけられている.

病理

組織切片の迅速作製

著者: 川井一男

ページ範囲:P.503 - P.503

 病理組織標本は,光学顕微鏡を用いて肉眼的には決定できない次元で,疾病をより正確に診断するために作られる.一般の組織材料では,パラフィン包埋法によって薄切切片を作ると染色標本の作製までに2,3日はかかる.しかし,臨床上組織診断を急ぐ場合,たとえば手術摘出材料のすみやかな診断の確定や所見の把握をまって続いて行なう処置法を選択するようなときには,短時間で組織切片を作製することが求められる.最近では,術中組織診断は術中細胞診断と並んで悪性腫瘍の診療には欠くことができないものとなってきた.

生理

集積回路

著者: 宇都宮敏男

ページ範囲:P.504 - P.504

 トランジスタ・ダイオードなどの半導体素子と,抵抗やコンデンサなどの回路素子を多数組み合わせて,ある目的機能をもたせた電子回路を,新しい技術できわめて小さな容積の中に集約した形で実現させた場合,これを集積回路(Integrated Circuit;I.C.)という.集積回路には次のような種類がある.

一般

冷媒ガス—フレオンガスについて

著者: 山崎公丸

ページ範囲:P.505 - P.505

安全で,広い使用範囲
 電気冷蔵庫,アイスクリームストッカー,冷房機などの冷凍機の内部には冷熱を運ぶ媒体として冷媒ガスが封入されていて,サイクルの中を蒸発・凝縮をくり返しながら循環しております.この冷媒ガスにはNH3,SO2,CH3Clなどのガスが使用されてきましたが,現在工業用としてNH3が一部に使用されているのみで,ほとんどがフレオンガスになりました.
 フレオンガスは無色無臭な安全冷媒で,引火爆発などの危険はありません.Freonは1930年にアメリカのdu Pont社によって開発されたもので,わが国ではダイキン工業が昭16年帝国海軍の潜水艦用に生産を開始したのが最初であって,戦後は特許契約をして一般に市販するようになりました.

論壇

はじめて見た臨床検査技術師

著者: 橋本寛敏

ページ範囲:P.507 - P.509

検査専門の女技術者
 今から46年前,大正12年(1923)関東大震災の後,はじめて横浜を出帆した汽船に乗り,アメリカに渡って,ミネソタ州のロチェスターにあるメーヨー・クリニックに行った.
 そして,その運営するセント・メリー病院で内科主任のラオンドリー(腎臓機能試験にPSPを用いることを始めた学者)の指導の下に研究を始めることになった.動物実験をするのであったが,動物を取り扱う若い男の助手をつけてくれ,血液その他の化学検査は完備した研究室に働く女の技術者が引き受けてくれた.心電図もまた女の人が担当しているが,いずれも熟練した技能をもっているので,私自身が勝手のわからない研究室でむりに検査をするよりも,はるかに好都合なのに驚いた.

座談会

冷凍の科学—低温と低温装置

著者: 山崎公丸 ,   松橋直 ,   松村義寛 ,   高橋昭三 ,   畠山茂

ページ範囲:P.510 - P.517

正しい検査結果を得るために,検体を長期間にわたって保存しなければならないものがある.つまり‘温度の低いこと’が不可欠になる.しかし,身近な冷蔵庫やアイスボックスなどの知識は,案外忘れられて,思わぬ失敗をしてしまうことがある.そこで,今月はメーカーとユーザーの両方の立場から‘低温の徹底的研究’を試みた.

研究

デカンテーション(傾瀉)によるコレステロール定量(レフレル法)について

著者: 与田一男

ページ範囲:P.518 - P.520

はじめに
 臨床検査室における血清コレステロールの測定法としては,Zak-Henly変法1),Leffler法2)Zurkowski—柴田変法3)など多くの測定法が発表されている.われわれは,イソプロパノール抽出によるLeffler法によって測定を行なっており,最近のプール血清による管理では,平均値188.3mg/dlに対して,標準偏差±2.87,変動係数±1.52%ときわめて良好な再現性を得ているが,この方法は,Zurkowski法などの直接法と違って,除タンパク操作,すなわち,イソプロパノールで抽出した後,遠心分離して上清を一定量移し取る操作があるために,多数の検体を同時に処理する検査室では,煩雑さをまぬがれない.したがって,この除タンパク操作をいく分でも簡単にかつ迅速に行なうためのひとくふうとして,Leffler法にデカンテーションを応用し,その適否を検討した.

血清アルドラーゼ比色測定法についての検討—血清量と活性との関係

著者: 小坂恵子 ,   谷奥美代子 ,   南部久 ,   松島六郎

ページ範囲:P.521 - P.523

はじめに
 動物組織のアルドラーゼの活性測定法については,Sibley, Lehninger1)が詳細な検討を行ない,この方法を用いて担癌動物組織や癌患者の血清についての値を報告している2).今日この方法が日常臨床検査法(比色法)の基本となっているが,血清量と酵素活性の関係についての検討が行なわれていない.本報告はこの点に着目して行なった実験経果をまとめたものである.

オートアナライザーによる体液カルシウム,無機リンの同時測定

著者: 大越幸子 ,   中山文子 ,   水野映二 ,   仁科甫啓 ,   北村元仕

ページ範囲:P.524 - P.526

 体液カルシウム(Ca)および無機リン(P)の測定は,骨疾患などの診断に主として利用されてきたが,近年では人工透析などを中心に,体液管理の一環として行なわれることが多くなった.この場合,他の電解質と同様に,体液CaとPの同時測定の必要があり,また多数検体処理も珍しくない.
 著者らはオートアナライザーによる血清および尿中Caの単独定量法を先に報告した.この改良法1)は,diagramや用いる界面活性剤などの吟味から基線でのノイズを消却し,生体試料中のマグネシウムの影響を8—hydroxyquinoline添加によってのぞいた方法である.今回さらに,これにFiske-SubbarowのP定量法を加味して2チャンネルオートアナライザーによるCaおよびPの同時測定を検討し,ほぼ満足すべき方法を確立したのでここに報告する.

尿素定量におよぼすチオ硫酸塩の妨害

著者: 寺田京子 ,   北村元仕

ページ範囲:P.527 - P.529

はじめに
 日常の腎機能検査には,患者に苦痛を与えることの少ない内因性クリアランスの測定が好まれるが,詳しい経過情報を得るためには,糸球体濾過値(GFR)や腎血漿流量(RPF)などの外因性クリアランスをも実施しなげればならない.
 筆者らの病院において,実用上の便利きから内因性および外因性のクリアランス測定を同時に実施したところ,GFR,RPFの値に比べて,つりあいのとれない尿素クリアランスの低値に遭遇した.表1はこの時の患者4例の両クリアランス値を示したものであるが,各例に共通して同様の解離が示されたことは,測定法の正確度に問題があるのではないかという疑問をわれわれにいだかせた.

私のくふう

血清分離の1方法

著者: 村田徳治郎

ページ範囲:P.523 - P.523

 この方法は,従来血清を分離するのに血液凝固後血清分離方法と異なり,採血後ただちにまたは血液凝固前に血清分離操作をしようとする方法で,以上を図解して説明する.

早見表の見かた—生化学

著者: 木村幸一

ページ範囲:P.526 - P.526

 日常われわれは,検査伝票に検査成績以外に検査点数を記入することが習しになっているが,事務屋でないわれわれ技師は,ソロバンが苦手でなかなか憶劫なものである.特に生化学の検査は種目が多く,その合計点数を計算することは,なかなかたいへんである.そこで当検査科では,早見表を作って使用している.たいへん便利なものですので皆様方も使ってみてはいかがですか.

ニュース

第2回国公私立大学病院臨床検査技術者研修会—充実した領域別分科会(生化学,血清,血液)

著者: 池田恭二 ,   中根清司 ,   平井恵美子 ,   宮本誠

ページ範囲:P.530 - P.533

 去る昭和44年1月30日より2月6目まで東京大学医学部付属病院において,文部省主催による第2回国公私立大学病院臨床検査技師の研修が,全国44大学47施設71名を集めて行なわれた.参加規定は各臨床検査部(室)の主任またはそれに相当する者で,目的も各大学病院の検査技術のレベルアップを目的としている.今年度は,昨年の研修から大幅に内容を充実させ,4目間の講義と3日間の実習が行なわれた.時間単位は3時間の短い時間であったが,各講師の要領良くまとめられた講義を非常に熱心に聴講し,活発な質疑も行なわれた。初めは堅苦しい雰囲気であったが,同じ仕事の技師たちの集りのためか,しだいにうち解け,なごやかな研修会が行なわれた.
 土屋教授:"臨床検査部の運営と管理"は,検査技術が進歩すればしだいに業務が分業化され重要視される.病院の中でも検査部は大きな位置を占めるが,その人員の管理,仕事の運営,使用機械類の耐用年数などについて模範的病院の例をとり説明,また,機械類では臨床病理学会で定めた例をあげ,ことこまかにスライドにより解説され運営管理の方法を示された.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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