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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査2巻12号

1958年12月発行

雑誌目次

グラフ

胃液,十二指腸液採取法

著者: 木下不二夫

ページ範囲:P.697 - P.704

①胃液(十二指腸液)採取に使用するセツト
       ① A………Rehfuss管     B………注射器
         C………クレンズ      D………コツヘル
         E………Rehfuss管容器   F………試験管及試膨ぎ管、ヒて
         G………Katsch-Kalk試験液(純カフエイン0.2g+水            300cc+2%メチレン青2滴)
         H………259/dl硫酸マグネシウム溶液
         I………膿盤        J………リトマス試験紙
       「A」は予め煮沸消毒して,同じく煮沸消毒した「E」に納めておく

高級技術講義

ウイルスの血清反応の実際(Ⅲ)

著者: 甲野礼作

ページ範囲:P.705 - P.712

Ⅳ.赤血球凝集抑制試験
 Hirst1)とMcClelland及びHare2)は各独立にインフルエンザウイルスの赤血球凝集現象(Hemagglutination,以下HAと略す。)を発見し,同時に免疫血清による該現象の発現阻止を観察し,赤血球凝集抑制試験(Hemagglutination-inhibition test,以下HIと略す。)として抗体の測定すなわちインフルエンザの血清診断に応用されるようになつた0最初はHirst-Pickels3)による光電比濁法が用いられたが,Salk4)は簡単な沈降像法を考案して,これが一般に普及した。
 その後多くのウイルスにHAが知られ,もはやこれはインフルエンザウイルスに特有のものではなくなつた。むしろHAはウイルス一般の通性ですらあるようにも思われる。ウイルスのHAは大別して,赤血球凝集素(Hemagglutinin)がウイルス粒子と不可分のものと,分離し得るものとの2群に分けることが出来る。いづれにしてもこれはウイルスの赤血球凝集素は抗体によつて中和せられ,抗血清との間にHIを行うことが出来るものであるが,実用的に患者の血清診断法としてどの程度日常化しているかというと,未だ案外種類が少いようである。

寒冷溶血反応

著者: 福岡良男 ,   渡辺光明

ページ範囲:P.713 - P.718

I.はじめに
 Donath & Landsteiner (1904)によつて,後天性溶血性貧血の1つである発作性寒冷血色素尿症患者の血清中に低温(0〜5℃)で,患者自己赤血球と結合し,37℃で赤血球を溶血する溶血素1)(Donath-Landsteiner type haemoiysin)が存在することが明らかにされるまでは,人の血清中にその人自身の赤血球を溶血するような抗体は出現しないものと考えられていた。
 その後,Rh式血液型が発見されてから,赤血球に対する種々の自己抗体を検出する血清学的手技が血液疾患の検査に導入された結果,後天性溶血性貧ぬのあるものでは,37℃で赤血球を溶血するWarrm haemolysin,或は20℃で赤血球を溶血するCold haemolysinが検出されることがあることが明らかにされた。

技術解説

糞便の細菌検査法(Ⅱ)

著者: 高橋昭三

ページ範囲:P.721 - P.725

4.生物学的性状検査用培地
 確認培地による検査では,その結果がうたがわしい場合,なおその他の性質を知らなければ菌種の同定がむつかしい場合,他の培地を用いていろいろの性質の検査を行う。これに使用する培地がこれであり,確認培地と同様,小試験管を用いるものが多い。
 i)尿素培地

腎機能検査法(その1)—腎血行動態測定の実際

著者: 古川俊之 ,   梶田知道 ,   浦壁重治

ページ範囲:P.727 - P.733

 現今腎疾患の診断に当り,従来の諸検査と共に腎機能検査殊に腎血行動態測定の重要性が認識されている。この腎血行動態測定に就いては,クリアフンス(Clearance)の概念を理解することが不可欠と考えられるので,本論に入るに先立ち,この解説をしておこう。
 クリアランスという考え方を,腎臓に応用したのはVan Slykeであり,腎生理の今日の化学量論的発展は実にこの時に約束されたのであるが,ここではこの話題には触れないことにしよう。又クリアランスは,腎臓のみに用いられる言葉でもないが話を腎臓に限つて進める。

濾紙の種類と使い方(5)

著者: 及川五郎

ページ範囲:P.735 - P.738

感受性ヂスク(Sensitivity Disk)
1.定義及び特長
 感受性ヂスクとは常用されて居る抗生物質及び他の治療剤の既知量を濾紙のヂスク(円板)に吸収させたものである。
 治療剤に対する各種微生物の感受性の程度を迅速に比較し,臨床上に実際的に応用され,且安価なことがこのヂスク法の特長である。細菌による漫性の疾患を治療することの出来る抗生物質を選び出す場合このヂスク法が特に便利である。

研究

蛋白計について

著者: 中村健三

ページ範囲:P.739 - P.744

 臨床検査の発展に伴つて機械による検査が一般化され,従前に比べて成績の精度も上昇更に能率的に成つた。しかしこれらの機械は誤つた使用により非常に大きな誤差と成る。最も簡単であり,光電比色計に次いで使用回数の多い蛋白計は,繁雑な検査室には欠く事の出来ない存在である。この蛋白計についても誤差となる原因は種々考えられる。機械的に決つて居り変えられないものは除外しても,蛋白計の取扱上軽視出来ないものを,案外過小に評価した為に,或いは性質を理解していなかつた為に単に目盛を読んで直ちに蛋白濃度と決めてしまう場合が有り得ると思う。蛋白計の目盛は蛋白濃度として表わされると同時に,屈折率に影響する物質の多少によつてもその成績が左右される事は衆知の通りだ。しかし最も重要なこの屈折率について記載された文献は殆んど見つからない。これらの事を中心に構造,原理等についての説明を簡単に加えて見る事にした。充分でない個所もあり既に御承知の事を記載する結果にもなるが,浅学の為とお許し戴きお気付きの点についての御指導をお願いする。

ブドウ球菌の病原性判定の方法についての比較研究—特に血漿凝集反応の病原性判定上の価値

著者: 蓑茂上 ,   堀陽

ページ範囲:P.745 - P.748

まえがき
 ブドウ球菌は自然界に広く存在し,人体の各所より腐生菌として検出される故,ある被検材料から検出されたブドウ球菌が果して病原株であるかどうかの判定は,日常臨床検査において極めて重要な事柄である。
 ひるがえつてブドウ球菌の病原性判定方法として如何なるものがあるかを考えてみると 1)産生色素の色調 2)ゼラチンの液化能 3)マンニツト分解能 4)溶血性の有無 5)血漿凝固作用或は血漿凝集反応 6)牛乳の凝固作用 7)色素含有培地の色調変化 8)動物実験 9)菌体外毒素産生能の有無 10)Glukosamin分解作用 11)Hyaluronidase産生能より判定する方法等がある。

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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