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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査2巻4号

1958年04月発行

雑誌目次

グラフ

病理組織標本のつくり方のこつ Ⅱ.パラフイン切片の薄切と貼付け

著者: 太田邦夫 ,   望月孝規

ページ範囲:P.195 - P.202

〔パラフイン切片の薄切」
 ① Jung型ミクトームでは,先ずブロツクを支持台のブロツク架に固定する。メスは取つて置いた方が安全である。ブロツク固定の方向のよつて切れ味に優劣があるが,組織片の一辺がメスのはじめてあたる線と並行しているのはよくない。むしろメスの進行方向と並行しているのがよい。支持台はブロツクをしつかり固定したのちも,縱軸,横軸に回転し且つ上下にうごくから,これらのネジを先ずしつかりしめておく。

高級技術講義

濾紙電気泳動法(3)—定量法の検討と移動度について

著者: 小林茂三郎 ,   村井京子

ページ範囲:P.203 - P.212

V.定量法の検討
 染色した泳動図を光度計で測定して定量する場台について述べる。問題になる点は濾紙の透明化,光度計の種類,構造,光電池(光電管)の性質,フイルター(波長),スリツト(高さ,幅)及びその面積の定量法などである。

エツクス線間接撮影の技術(Ⅲ)

著者: 田坂清一

ページ範囲:P.215 - P.220

1.撮影条件の決定に関連して
 エツクス線診断の基礎になるものは,いうまでもなくエツクス線像……エツクス線写真であります。
 ところが,エツクス線写真は一種の陰影であると云われておる様に,これが直接撮影写真たると間接撮影写真たるとを問わず,すべてMonochromeと称せられる所謂「白黒写真」でありますから,これによつて病変の有無や性状を判断する場合の基礎になるものは陰影の濃度差即ちコントラスト以外に何等の拠所もない訳であります。

座談会

臨床検査に必要な動物の取扱い方(1)

著者: 樫田良精 ,   松村義寛 ,   小山良修 ,   高橋昭三 ,   松橋直 ,   牛尼杉義 ,   中尾喜久

ページ範囲:P.222 - P.230

 樫田 きようは臨床検査に必要な動物の実際的な扱い方について,小山先生,それから東大の牛山さんにお出をいただいて,お話しを伺うわけですが,検査員の中には動物の扱い方を正規に習つたことのない人も多いので,なるべく現場で手をとつて教えるような気持でお話し願つて,そういう方々の参考になるようにお願いしたいと思います。
 はじめに検査室で使う主な動物の種類を申しますと,一番多く使うのは大体ウサギとかモルモツトそれにガマ,細菌の方でマウス,まずそのくらいですが,動物の大きさの順に一応並べてみますと,ヒツジ,ウサギ,モルモツト,ハムスター,ラツト,マウス,ガマ,蛙の順になると思います。こういうふうなものをいろいろの検査室で使つておりますが,細かいことはあとで各論的に,皆さんからお話いただくことにして,初めに小山先生とそれから牛山さんに,なにか全般的な扱い方,注意といいますか,一番正しい扱い方というようなものをお話いただきたいと思います。

技術解説

Paul-Bunnell反応

著者: 副島圭一

ページ範囲:P.231 - P.233

 Paul & Bunnell1)は1932年,伝染性単核症の患者血清が羊赤血球に対して高い凝集素価をもつていて,又これは非常に特異的であることを発見した。もつともそれまでに血清病(当時は種々の細菌感染に対して治療血清が試みられていたので,その頻度も多かつた)の患者血清が羊血球に対する多量の凝集素を有することが分つていて,多くの人によつてそれがForssman抗体であるか否かを種々論じられていた。Paul & Bunnellは血清病に症状の似ている種々の疾患について羊血球凝集反応を試みて本反応を発見し,これはHeterophile Antibody(異好抗体)の存在によるものと発表した。
 その後Bailey & Raffessl2)(1935),Davjdsohn3)(1937)等は伝染性単核症のこの抗体の性質を明らかにするため,種々の動物組織による吸収試験を行つた結果,この羊血球凝集素は,Forssman抗原のないと言われている牛血球によつて非常によく吸収され,代表的なForssman抗原であるモルモツト腎では吸収されないことを発見した。特にDavidsohnはこの吸収試験を詳しく研究し,血清病では上記の両抗原によつてともに吸収され,その他の疾患ではモルモツト腎でのみ吸収されることを明らかにし,これによつて鑑別診断が可能なことを発表した。我々の検査室ではこの吸収試験もあわせ行つて検査結果の判定の参考にしている。

検査室管理

山口医大臨床病理とその運営

著者: 柴田進

ページ範囲:P.235 - P.241

 私達が思い出多い岡山県倉敷市の倉敷中央病院をあとにして,煙の街山口県宇部市の山口県立を医大に引き移つたのは1951年9月末のことであつた。山口医大の病院に中央検査室と臨床病理学数室開設の計画があるのは風の便りに聞いていたが,当時の学長松本彰先生が倉敷に来られ,この検査室の運営をする様にとお言葉を頂戴した時には勿論うれしかつた。しかし住みなれた倉敷とあたたかい情をかけて下さる倉敷中央病院の院長山崎先生や内科医長遠藤先生の許を去るのはつらかつた。太平洋戦争が終つた1年目に私はセレベス島から内地に帰還し,それからずつと5年間倉敷中央病院の研究室を預つていた。その間私はこの研究室を診療に直結させて活用しようと思つていろいろ努力して見た。そして丁度松本先生が倉敷においで下さつた頃には中央検査室の運営について私自身の見解が頭の中で形態をととのえかけていた。先生のお言葉が私をひきつけたのは無理のないことであつた。
 1951年10月—現在講師の職にある高橋浩氏と一緒に臨床病理学の最初の講義をした時には中央検査室の建物は土台工事さえはじまつて居らず,講義以外は何も仕事がなかつたので,私は将来学生のテキストにするつもりで,"臨床生化学入門"(金芳堂)の原稿をせつせと書きつづけた。それを書き終つた1952年1月に中央検査室が竣工し,この月から私達は業務を開始した。

『医学の常識』

臨床生化学メモ(Ⅰ)

著者: 茂手木皓

ページ範囲:P.243 - P.246

 最近の臨床検査法の進歩はめざましく,つい数年前まで研究的に行われていた検査法もルーチンワークとして取入れられ,疾病の診断や治療に役立ちつつある。これにともなつて今まで不明であつた病態生理も次第に明らかになりつつある。
 しかし最近医学の分野にも分業が進み,医師は検査上の初歩的な知識も忘れ去り,また検査に携わる技術員は検査按術にのみ專念する傾向がみうけられる。

私の検査室

三鷹新川病院

著者: 柳瀬武男 ,   松田進勇

ページ範囲:P.247 - P.250

 本院は武蔵野の面影末だに残る三鷹市の一隅に昭和29年1月竣効を見た医療財団法人杏林会三鷹新川病院でありまして医療法人として松田進勇博士を院長に日夜医療面に盡力致して居ります。
 患者は主として結核患者でありまして216のベツトを有して居ります。

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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