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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査29巻3号

1985年03月発行

雑誌目次

今月の主題 アレルギー カラーグラフ

好塩基球

著者: 田所憲治

ページ範囲:P.240 - P.242

 1879年Ehrlichによって発見された好塩基球は,その2年前に発見された肥満細胞ともどもヒスタミンを含有し,IgE受容体を有することから,アナフィラキシー型アレルギー発現の重要な細胞と考えられるようになり,今日に至っている.しかし,その数が少ないこともあり,その詳細な役割や産生機序にはまだ不明の点も多い.本稿では,好塩基球の形態とその肥満細胞との違い,産生機序,増多の著明な疾患を取り上げた.

技術解説

好塩基球とケミカルメディエーター

著者: 田所憲治

ページ範囲:P.243 - P.250

 好塩基球と肥満細胞は特徴的好塩基性顆粒を有し,その表面上の受容体に結合するIgEと抗原の抗原抗体反応を引き金にヒスタミンをはじめとする各種ケミカルメディエーターを放出して,I型(アナフィラキシー型)アレルギー反応の発現に関与していることはよく知られている.本稿では,この好塩基球の性状,産生機序,疾患との関連,その機能とケミカルメディエーターについて概説し,併せて臨床検査上有用ないくつかの検査手技についても紹介する.

IgE測定法

著者: 大田健

ページ範囲:P.251 - P.258

 イムノグロブリンE (IgE)の測定は,その血中濃度がIgGのおよそ4万分の1に相当するくらい低いことから,高感度のラジオイムノアッセイ(RIA)法やenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法を用いて行われる.RIA法でもっとも普及しているradioimmunosorbent test (RIST)を中心に,その改良法とも言えるpaper RIST (PRIST)について,その技法を述べるとともに,両者の相関(γ=0.92)を示した.近年開発されたELISA法についても簡単に触れ,PRISTとの相関(γ=0.92)を呈示した.IgEの測定の意義は,IgEの上昇する疾患と低下する疾患とを表示することで明らかとした.

IgE抗体の検出法と測定法

著者: 森田寛

ページ範囲:P.259 - P.265

 IgE抗体の検出法にはいくつかの方法があるが,それらの中で皮膚テスト,RAST(radioallergosorbent test)がもっとも広く用いられている.
 皮膚テストは,皮膚の肥満細胞(mast cell)の表面上に結合しているIgE抗体と抗原とが反応するとヒスタミン,SRS-A(=slow-reacting substance ofanaphylaxis,ロイコトリエンC4,-D4,-E4)などの化学伝達物質が遊離され,その結果,皮膚に膨疹と発赤とが出現するという現象を利用したin vivoの検査法である.

鼻汁の検査法

著者: 奥田稔

ページ範囲:P.267 - P.272

 鼻アレルギーの鼻汁の検査は細胞学的,生化学的,細菌学的検査が主なものである.細胞学的検査は特に重要で,好酸球,好塩基球が対象となる.塗抹標本をHansel法に準じて染色し,程度分類を行うがよい.生化学的にはIgE,IgE抗体,アレルギーのケミカルメディエーターの定量が対象となるが,ルーチン検査としては重要ではない.細菌学的には鼻の一般細菌が対象となるが,鼻アレルギーにおける細菌アレルギーまたは感染の意義は喘息ほど重要ではない.
 いずれの検査にしろ,鼻汁の採取法が結果に大きな影響を及ぼすことに留意する必要がある.

総説

IgE;最近の進歩

著者: 冨岡玖夫

ページ範囲:P.273 - P.280

はじめに
 アレルギー反応やアレルギー性疾患の発症に重要な抗体であると考えられていたレアギン(reagin)は,1966年石坂らにより新しい免疫グロブリンクラスに属することが報告され,γEと命名された1).このとき,ほぼ同時(1967年)にスウェーデンで非定型的な骨髄腫蛋白が発見され,患者の名前のイニシャルをとってIgNDと呼ばれた2).二つの研究グループは骨髄腫蛋白や抗血清を交換して,互いに観察している蛋白質が同一のものであることを共同研究により確認した3).1968年,WHOにおいて会議が開かれた結果,レアギン活性の担い手としての免疫グロブリンは免疫グロブリンE (IgE)という名前に統一されて呼ばれることになった.IgE発見当時の石坂研究室のようすは,多田富雄教授の最近の総説に詳しく書かれている4).石坂先生の研究がJohanssonらの発見と異なるもっとも重要な点は,IgEをレアギンの生物学的活性を指標として発見したことであろう.この研究の根底にある思想は,その後の石坂先生の研究の流れをみれば理解できるし,IgEの発見によってIgEにかかわる生物学の未知の扉が次々に開かれていったのも,IgE発見当時の姿勢と思想とが貫かれているからでもあろう.事実,IgEにかかわる進歩はつねに石坂研究室を中心にして展開していると言って過言ではない.IgEに関する進歩は,①IgE抗体産生の調節機構の解明と,②IgE依存性アレルギー反応の機序の解明とに大きく分けてみることができる.

検査と疾患—その動きと考え方・99

過敏性肺臓炎—自験例を中心として

著者: 檀原高 ,   岡田光子 ,   小林英夫 ,   高橋英気 ,   吉良枝郎

ページ範囲:P.281 - P.288

はじめに
 過敏性肺臓炎(hypersensitivity pneumonitis)は,吸入された塵埃抗原がアレルギー反応を惹起することにより発生する肉芽腫性間質性肺炎で,アレルギー性肺臓炎(allergic pneumonitis)・外因性アレルギー性胞隔炎(extrinsic allergic alveolitis)とも呼ばれている.
 1932年Campbellが農夫肺症(farmer's lung)の1例を報告して以来,種々の有機性抗原の吸入による本症の報告が集積され,1966年Pepysがこれらを総括し,過敏性肺臓炎の概念を提唱した1).表1に示すように,その病因抗原は多彩で,職業的様相も呈する.これらを一括して過敏性肺臓炎として受け止めている2,3)

座談会

素因・遺伝とアレルギー

著者: 武藤正彦 ,   斎藤洋三 ,   溝口昌子 ,   早川浩 ,   谷本潔昭

ページ範囲:P.290 - P.301

 アレルギー疾患は,薄麻疹のように一過性・即時性のものとアトピー性皮膚炎のように慢性のもの,また,アレルギー性鼻炎の花粉をアレルゲンとするもののように季節性・間歇的なものと,多様な病態を示す.その発症のメカニズムはどうであるのか,また,個人の中に潜む素因はどうかかわっているのか,遺伝的背景にも目を向けた.

シリーズ・先天性遺伝性疾患の診断に役だつ検査・3

先天性糖代謝異常症

著者: 一色玄 ,   新宅治夫

ページ範囲:P.302 - P.309

 先天性糖代謝異常症は,糖代謝に関する酵素の先天的な異常に基づく疾患で,その診断には最終的に酵素異常を同定する酵素診断が必要であるが,日常行われる臨床検査としてはもっとも得やすい生体試料(尿,便,血液など)中の糖を分析し,広汎(はん)な糖代謝系路の中から代謝ブロック部位を推定することが重要である.糖代謝の異常が疑われるときは負荷試験を行って代謝障害部位を推定し,また酵素診断を行う.

シリーズ・医用基礎工学入門・3

電気・1

著者: 金井寛

ページ範囲:P.311 - P.313

電気特性とインピーダンスとアドミタンス
 生体の電気特性としては,①心電・脳波などの生体電気の発生(能動的性質)と②物体としての電気特性(受動的性質)とがあるが,ここでは受動的な特性だけを考える1,2).生体の受動的特性は,体表面で測定した生体電気から発生源の状態を正確に推定するために重要であるが,受動的特性自体が生体の状態を反映するのでいろいろな目的で測定される.また,生体の電気に対する安全を考える場合や治療を目的として電気を生体に加える場合にも,重要なデータとなる.
 医用生体工学では多くの場合,電圧や電流が時間とともに正弦的に変化する正弦波交流を用いる.正弦波交流をいろいろな電気素子に加えたとき,素子の両端の電圧と素子を流れる電流との関係を図1に示す.図1—aに示す抵抗の場合は電圧と電流とは時間的に同じように変化するが,コンデンサーの場合はbに示すように電流が電圧より一周期の1/4だけ進んで変化する.コイルの場合は反対に電流が電圧より一周期の1/4だけ遅れる.直流の場合は抵抗だけを考えればよいし,電圧・電流としては大きさだけを考えればよいが,交流の場合には大きさだけでなく,電圧と電流の時間差も考えなければならない.正弦波交流の場合,時間の代わりに周期Tを2πとして角度で示すほうが便利で,この角度を位相と言い,時間差に相当する角度差を位相差と呼ぶ.また,電圧電流の大きさは,振幅ではなく,実効値(瞬時値の二乗平均の平方根でrms値とも呼ばれ,正弦波では振幅の1/√2)で示すように決められている.この大きさのことを絶対値と呼ぶ.直流では電圧γと電流1の関係は0hmの法則

シリーズ・癌細胞診・3

子宮頸部癌・2

著者: 長谷川寿彦

ページ範囲:P.315 - P.318

<前号より続く>
(2)非角化大細胞型
 子宮頸部扁平上皮癌でもっとも頻度が高い.組織学的には,癌巣を形成する細胞は大型で,多くの場合核小体が目だち,クロマチンは粗ないし細顆粒状を呈する.細胞像の特徴は核小体の目だつ大型核で,細胞質は豊富な例が多いが,細胞質縁は不鮮明である.集団で出現すると合胞状配列を示し,詳細に観察すると不規則な重積性を認める.単独で出現する細胞で,時に偏在核を認め,細胞像として腺癌に類似し,腺癌扁平上皮癌の移行型とか中間型と言われている.この型では組織化学的に粘液染色陽性例も多く,腺細胞の性格もあり,細胞像でも同じように特徴を示している.外表面は外界からの刺激により,反応性に角化を認めるが,小型細胞が多く,悪性細胞中で占める割合も低い.

学会印象記

第35回電気泳動学会総会/第24回臨床化学会年会

著者: 長嶺光隆

ページ範囲:P.320 - P.321

活発な討論とアポリポ蛋白の最新知見
 「電気泳動学会」という,分析技術そのものを標傍する学会も数少ない.本学会は,研究目的こそ異なっていても,電気泳動を共通して駆使する研究者たちの組織であり,したがって,会員の所属施設も理学・医学・薬学・獣医学,生物学と多彩なのが特徴である.そして,学会機関誌も広い領域を象徴して『生物物理化学』と名付けられている.また,学術集会は年に2回,春季大会と総会(秋)とが開催されるが,その第35回総会が1984年11月15日,16日の両日にわたり,久留米市(福岡県)の石橋文化センターにおいて,原三郎教授(久留米大学法医学)の主宰で催された.

研究

白血病におけるTHMSの臨床的評価

著者: 寺岡弘平 ,   寺畑喜朔 ,   野田彰 ,   才願則夫 ,   森日登美 ,   三浦隆史

ページ範囲:P.323 - P.328

 細胞化学分析法を基礎にしたHemalog-Dの出現は白血球分類の日常検査を大きく変貌させ,臨床医学においてもHemalog-Dは白血病や他の血液疾患の診断,予後,治療の判定などに広く応用されている.従来,白血球分類は染色法をはじめとして,その形態学の解析は長年の経験と熟達した解読力に依存し,かつ時間を要した.さらに,その精度管理も再現性に乏しく,主観が入りやすい.
 最近,テクニコン社により,従来のHemalog−8とHemalog-Dとを連結機構とした総合血液学情報管理システム(THMS) H−6000が開発された.この装置は,一つの全血検体から0.02mlを吸引し,血球計測および白血球分類が可能であり,同時に自動的に血液塗抹標本を作製し,1時間当たり90検体の処理速度能力を有する画期的なシステムである.著者らは,この装置を用いて白血病の臨床的評価を検討したので,報告する.

最近の淋菌分離株の薬剤感受性,ならびに選択培地の検討

著者: 甲田雅一 ,   大内八州男 ,   小林準一 ,   前田尚廣 ,   松崎廣子 ,   畑弘道 ,   仲野忠夫 ,   日下史章 ,   永田傳

ページ範囲:P.329 - P.332

序文
 近年,わが国における淋菌性尿道炎患者の増加は著しいことが報告されている1).また,β—ラクタマーゼ産生淋菌(PPNG)の増加も著しいと言われる2〜6)
 われわれは,1983年に東京警察病院泌尿器科外来を訪れた淋菌性尿道炎患者より分離した淋菌を用いて,その薬剤感受性,PPNGの出現頻度を調査した.また,近年淋菌は泌尿生殖器以外の部位からも検出されるようになった7)ので,常在菌が多数混在する部位からの淋菌の検出には選択性の強い培地の使用が望まれている.そこでわれわれは,近年Faurら8,9)によって開発された淋菌選択培地であるニューヨークシティー培地(NYC培地)の評価を行ったので,あわせてその成績を報告する.

資料

モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリー解析におけるFACS cell sorterとFACS analyzerの比較検討

著者: 西川潔 ,   坂口泰弘 ,   鴻池義純 ,   三上理一郎

ページ範囲:P.333 - P.336

緒言
 Köhler,Milstein1)による細胞融合によるモノクローナル抗体産生法の確立以来,種々なモノクローナル抗体が作られ,最近ではヒト細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体が市販され,臨床研究に使用され始めている.また一方,測定機器についても,従来の蛍光顕微鏡に代わってフローサイトメトリーが開発され,モノクローナル抗体とフローサイトメトリーとを利用することにより,蛍光染色された細胞をより詳細に解析することが可能となってきた.FACS(fluorescence activated cell sorter)2)は,光源にレーザーを用いるフローサイトメトリーであり,レーザー光により強力な励起蛍光を得ることができ,細胞の表面蛍光を高感度で解析することができる.しかも,細胞表面蛍光の量または有無により細胞を分離することができる.この機械は,レーザー光を利用するため,装置が大型であり,また光軸の調整などに多少の熟練を要する.そこで,レーザー光源の代わりに水銀アークランプを用いて,解析だけを目的とし,操作が簡便で,しかもFACSと同程度の感度を得ることのできる装置として開発されたのが,FACS analyzerである.
 現在,わが国において,数十台のFACSと,それに近い数のFACS analyzerが導入されており,種々な研究に利用されている.しかし,その両者を比較検討した成績はいまだみられない.今回われわれは,ヒトリンパ球サブセットの解析を中心に,二つの点,すなわち①ゲイト(gate)設定による単球除去効果の比較,②陽性%の比較,について検討を行った.

カウンターフロー遠心による細胞分離装置を用いた単球の分離法と評価について

著者: 塩月一英 ,   八坂達臣 ,   本田福美子 ,   横山三男 ,   早坂浩 ,   永田和郎 ,   是枝正国

ページ範囲:P.337 - P.340

はじめに
 単球—マクロファージ系の細胞は,外来からの異物や微生物に対する防御機能を有するほかに,老廃した自己の細胞や異物を処理する機能がある.また,インターロイキン1やα—インターフェロンなどの生体調節物質を産生し,生体の恒常性を維持するためにきわめて多彩な機能を発揮している.
 ヒトの単球—マクロファージ系細胞について,これらの多様な機能を分析するためには,多量の単球を損傷すること無く,生理的な状態で分取する技術を開発することが重要である.

編集者への手紙

Pasteurella multocidaの同定—動物由来株を同定した一知見

著者: 岡田茂 ,   芦原義久 ,   和気迪子

ページ範囲:P.341 - P.341

 われわれは,動物由来Pasteurella multocidaを分離・同定する機会を得,その同定のため丸山ら1)によるバンコマイシンおよびクリンダマイシン添加血液寒天培地(以下VC−2倍地)を選択分離培地として用い,その結果,高率にP.multocidaの同定ができたので報告します.
 試験菌株としては,斃死した豚の肺由来11株,ウシの鼻汁由来6株,すべてチトクロームオキシダーゼ陽性,Gram陰性の短桿菌を用いました.

質疑応答

臨床化学 ジゴキシン測定キットの流用はできるか

著者: X生 ,   扇谷茂樹

ページ範囲:P.343 - P.346

 〔問〕当施設では医師の要請により,やむをえずジゴキシン測定キット(アボット製TDX)によりラナトキシッドCやデストラノシドを測定しています.in vitroでは,ジゴキシン測定と同程度の精度が得られていますが,この測定で臨床的意義はあるでしょうか.また,これに代わる強心配糖体の測定法があれば,ご教示ください.

臨床化学 免疫測定法の感度とは

著者: S子 ,   中井利昭

ページ範囲:P.346 - P.347

 〔問〕化学分析で,よく感度,鋭敏度という言葉が使われますが,どんな区別や定義があるのですか.RIA法で教えてください.

臨床化学 尿中ウロビリノゲン〔+〕でウロビリン〔—〕の場合はあるか

著者: 青島賢 ,   山崎晴一朗 ,   江頭静摩

ページ範囲:P.347 - P.348

 〔問〕尿中ウロビリノゲンは〔+〕で,ウロビリンが〔—〕ということがありうるでしょうか.ウロビリンは,ウロビリノゲンが体外で酸化されて生成すると言われていますが,体内で酸化されることもあるのでしょうか.

血液 ステロイド製剤とAPTT

著者: 本間淑子 ,   依藤寿 ,   池松正次郎

ページ範囲:P.348 - P.349

 〔問〕ステロイド製剤を使用している患者さんで,PTは正常ですがAPTTが10秒台と20秒を切っています(正常者は30秒前後です).この理由をご教示ください.

微生物 MIC測定に注射薬の抗生物質は使えるか

著者: S生 ,   中塩哲士 ,   中村正夫

ページ範囲:P.349 - P.350

 〔間〕MIC測定においては抗生物質の原未を使用するのが原則ですが,原末を入手できない場合注射薬で代用することはできるでしょうか.また,そのデータは学術発表に使用できるでしょうか.

微生物 Bodo groupとは

著者: Y生 ,   林康之

ページ範囲:P.350 - P.350

 〔問〕『尿沈渣』に出てくるBodo groupについて,その実体,臨床的意義などをご教示ください.

病理 Chlamydia感染細胞の検出

著者: T子 ,   久保田浩一 ,   河西十九三

ページ範囲:P.351 - P.353

 〔問〕婦人科外来で採取した膣スミアの中に細胞質内封入細胞が認められたとき,Chlamydia感染細胞と報告できるにはどのような所見がそろえばよいのでしょうか.また,コルポスコピーで特徴的な所見はありますか.

病理 固定の際のホルマリン液の濃度

著者: N生 ,   岩垂司

ページ範囲:P.353 - P.354

 〔問〕病理組織標本を固定する際に用いられるホルマリン液の濃度は,古くは10%と言われていたのですが,20%が妥当とも言われています.これは組織の種類とか大きさによって,その濃度を変えるということなのでしょうか.

臨床生理 クロージングボリュームが0

著者: 今井のり子 ,   鵜沢毅

ページ範囲:P.354 - P.356

 〔問〕クロージングボリューム(CV)を一回呼出法で測定しています.健常者,肺気腫患者,末梢機能障害者を問わずCVが0になりますが,臨床医からは「0はありえない」,「何回もやってみるように」と言われます.測定時における注意事項,判断基準,そして,臨床的意義をお教えください.また,△N2洗出法と一回呼出法との,どちらを選んだらよいでしょうか.なお,測定法はN2resident gas法で,チェスト社の25F型を用いております.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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