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雑誌目次

論文

臨床検査3巻8号

1959年08月発行

雑誌目次

グラフ

十二指腸ゾンデ検査法

著者: 東京慈恵会医科大学高橋内科教室

ページ範囲:P.423 - P.429

 ①胃液の採取(本誌2巻12号参順)と同様に,坐位でゾンデを徐々に55cmまで嚥下せしめ,ゴム管の先端をクレンメでとめておく。臥床している患者では上体を高くする。

血液塗抹標本の見方(その2)

著者: 天木一太

ページ範囲:P.430 - P.430

技術解説

十二指腸ゾンデ検査法

著者: 高橋内科教室

ページ範囲:P.431 - P.433

 一般に十二指腸液といわれるものは,十二指腸固有の分泌液,胆汁,膵液および胃からくる物質などのすべてが混和したものである。この十二指腸液の採取法については本誌2巻12号に詳細に記載してあるので,ここではその採取したあとの十二指腸液の検査法について述べる。

食中毒細菌検査の実際

著者: 辺野喜正夫

ページ範囲:P.434 - P.440

 ここ数年間の厚生省の統計調査の結果から,わが国における食中毒発生状況をみると,年間約1000〜4000件発生し,2〜6万の患者と200〜400人の死亡者をだしている。
 統計上からみると,原因のはつきり判明しているものは総数の約30%で,そのうち細菌性のものが約15傷である。原因不明の70%の食中毒は気温の高い時期に多発する点などから,その多くは細菌性のものではなかろうかと推測されている。

補体の取扱いかた

著者: 木村一郎

ページ範囲:P.441 - P.446

 梅毒血清反応の補体結合反応をはじめ日常臨床検査に補体がしばしば使われる。しかし補体の本質をはつきり理解していなければ良い結果は得られない。そこでこれを簡単に説明したのち話をすすめてゆきたい。補体とは各種動物の新鮮血清に含まれ,抗原抗体複合物に特異的に結合し,その結果これを溶解したり(溶血,溶菌作用),結合することにより自からの作用を失なう蛋白成分である。また物理的,化学的には非常にこわれやすく,加熱,薬品などにより容易にその活性を失ない,一般に感作血球**の溶解を目印しとして検出される。補体結合反応は以上の性質を利用したもので,補体に抗原,抗体をまぜるとそれは抗原抗体複合物に結合され,一定時間後感作血球をいれても溶血しない,しかし抗原または抗体の一方がなければ補体はそのまま残り感作血球は溶けるから抗原または抗体の検出ができる。ここでは梅毒補体結合反応である緒方法1)2)を中心としてその実際的な取扱かいかたを述べてみたい。

白血球の超生体染色および墨粒貪喰能試験

著者: 宇塚善郎 ,   高橋運三 ,   大内栄悦

ページ範囲:P.447 - P.456

 Ehrlich,Pappenheim以来発達してきた血液細胞の固定染色法は,May-Giemsa染色法によつてその頂にたつし,現代血液学の開花は,その基礎のうえに行われたといつても過言ではない。しかしながらその後の血液学の進歩はこの方法のみでは解釈し得ない多くの問題を惹起せしめるにいたり,細胞の生の機能,形態の観察が重視され,超生体染色法,体相差顕微鏡による細胞研究が盛んに行われるようになつた。しかし,この方法はギムザ染色法に比べてその手技の熟練にやや時間を要することなどから,とかく一般医家からは敬遠されがちである。著者などは年来,超生体染色法を駆使して細胞形態の観察に努めるとともに,白血球機能についても種々の方法を用いてその究明に努めてきたので,自らの経験に基づき,これらの方法につき説明を加えようと思う。

匿名座談会

衛生検査技師国家試験を前に

ページ範囲:P.459 - P.466

1.その道のベテランを合格させることが主眼
 A きようはことしの秋に行なわれる予定と聞いております国家試験の問題について,多少なりとも御関係のある方々にお集まりいただいて,匿名で,なるべく許す限りの予想的な,あるいは一応きまつていそうな問題を,話し合いたいと思います。
 ひとつどなたからか,なるべく知つている方から概要をお話しいただきたいと思うのです。この雑誌では前に厚生省の後藤技官においでいただいて,衛生検査技師法の解説をしていただいたのですが,あの法律だけでは,その後かなり細目的に解釈の違うところもありはしないかという気がいたしますので,前に出ていることももう一度十分にお話し合いいただきたいと思います。

対談

血液塗抹標本の見方(その2)

著者: 天木一太 ,   杉山幸子

ページ範囲:P.469 - P.472

正常骨髄像
 天木 今回は正常の血液の幼若細胞について,観察してみようとおもいます。それには骨髄塗抹標本を見ればいいわけですが,骨髄の塗抹標本を作るには,どういう点に気をつけたらいいでしようか。
 杉山 血液塗抹標本の場合と同様ですが,血球を細かく観察するために,薄い,よく伸びた標本がいいとおもいます。その上に骨髄液は凝固しやすいので手早く操作することも大切とおもいます。

〈検査室メモ〉

臨床化学分析談話会抄録

ページ範囲:P.473 - P.474

血清ビリルビン定量の1方法(アルカリ性アゾ・ピリルビン法)
 血清ビリルビンをアゾ・ビリルピンにして定量するには従来は主として中性あるいは弱酸性(pH3〜4)mediumで反応させ,生じた赤色(最大吸収波長530mμ)を比色していたが,アゾ・ビリルビンは強酸性あるいは強アルカリ性のmediumでは青色に変化する(最大吸収波長は夫々580mμ及び600mμ)。アルカリにおける呈色は不安定であるが,最大吸収波長が長波長域に移るため,血清中のビリルビン以外の黄色色素,試薬自体から生ずる赤色あるいは褐色色素の影響を受けにくく,反応の特異性は高くなる。またアルカリによつて蛋白が溶かされるため血清中の蛋白の影響もうけにくい利点もある。ここに述べるFogの方法1)はJendrassik-Grofの方法2)を分光光度計用に改めたものである。

『医学常識』

肺臓のはなし(Ⅲ)—肺の病気

著者: 鈴木秀郎

ページ範囲:P.475 - P.478

I.はじめに
 これまで2回にわたつて肺の構造・機能,肺が侵されたときにみられる主な症状,肺機能検査法などについてのべてきました。今日は肺の病気をあげてその主なものについて簡単な説明を加えてみたいと思います。

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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