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雑誌目次

論文

臨床検査31巻10号

1987年10月発行

雑誌目次

今月の主題 制癌剤と臨床検査 カラーグラフ

白血病における血液の形態と制癌剤

著者: 大竹順子 ,   ,   ,   ,  

ページ範囲:P.1030 - P.1031

 急性白血病では,芽球が多数出現することが多い.この芽球は普通染色(Wright, Giemsa染色)などで,通常,核胞体比が大,核小体が存在する.細胞質に顆粒がないか,あっても少数などの一般的な芽球の定義にあてはまる.
 白血病患者では経過中に出現する芽球や他の白血球に形態変化が起こることをしばしば経験する.これは急性白血病の治療剤として用いられる種々の制癌剤の影響と考えられ,その形態変化は個々の患者により異なる,急性白血病治療剤には作用機序の異なる種々の薬剤がある.そして病型に応じて用いられる薬剤が臨床的にほぼ決まっている.急性白血病は,正常細胞と混在する白血病細胞をともに絶滅するtotal cell killingの考えで治療が行われる.そのための投薬の種類,量,組み合わせが種々考えられている.経過中にしばしば経験する形態異常は,白血病細胞の核や細胞の形が不整形となったり,核のクロマチンパターンの変化,顆粒の色調,大きさの変化,顆粒の偏在,細胞の空胞変性などがある.血小板は,著しく大型や,青色の染色性を示すものが出現することがある.

フローサイトメトリーによる細胞回転と制癌剤の作用の分析

著者: 高倉公朋 ,   ,   ,   ,  

ページ範囲:P.1032 - P.1033

 フローサイトメトリーを用い,制癌剤の薬理作用を検査する方法が進歩している.もっとも一般的で簡単な方法は図3〜4に示したような細胞回転に応じた細胞のDNA量と細胞数を表示する方法で,制癌剤が,各腫瘍細胞回転のどの期に作用するかを明らかにすることができる.さらに腫瘍細胞の分裂状態(cell kinetics)を詳細に調べるためには,ブロモユリジン(BrdU)をDNA合成期に取り込ませたのち,一定時間毎に抗BrdU抗体を用いて細胞を染色し,図1,2に示したようにDNA量,取り込みBrdU量と細胞数の3パラメーターを同時に測定する二次元表示法が有用である.この方法を用いると細胞世代時間,S期細胞動態などの測定から,制癌剤の作用を一層詳細に調べることが可能になる.この方法は従来の3Hチミジンを用いる分析法と比較して,アイソトープを使わずに短時問に,容易かつ正確に細胞回転を分析できるので,きわめて優れた検査法であると言えよう.

技術解説

腫瘍マーカーの免疫組織化学

著者: 堤寛

ページ範囲:P.1034 - P.1046

 腫瘍マーカーを免疫組織化学的に証明しようとする際に必要な技術的注意点を中心に概説した.
 免疫組織化学を病理診断の分野で活用しようとするとき,本法の方法論的な利点や限界を十分に認識したうえで,本法に対するあまりに過剰な期待を持たないことが重要である.逆に,免疫組織化学の結果を適切に評価するためには,正しい方法論を身につけることもまた必須である.

メトトレキセートの血中濃度測定法

著者: 藤本孟男

ページ範囲:P.1047 - P.1052

 臨床薬理学の進歩に伴って,癌治療学の分野においても薬物の血中動態にもとづいて薬物濃度を腫瘍細胞内により多く移行させ選択毒性を向上させる研究が行われている.MTX大量療法は細胞の内外の濃度勾配により受働的膜輸送によっても薬物の細胞内移行を増大させる画期的な治療法であるか,つねに内在する重篤な副作用があり血中濃度モニターが必要である.
 MTX測定法には種々の方法があるが,臨床的にベッド・サイドでモニターする手段としては迅速かつ簡単な方法でなければならない.著者らが行っているeznyme inhibition assay (EIA)法,高速液体クロマトクラフィー(HPLC)法を中心に解説した.

in vitro制癌剤感受性試験

著者: 仁井谷久暢 ,   吾妻安良太

ページ範囲:P.1053 - P.1058

 臨床癌化学療法の発展に伴い,個々の症例に適した有効な薬剤の選択のため,その薬剤の有効性を予測することはきわめて重要なことである.その予測手段として,さまざまな制癌剤感受性試験が試みられている.
 HambergerおよびSalmonによりHumanTumor Clonogenlc Assay (Human Tumor StemCell Assay)が確立され,in Vitro制癌剤感受性試験として応用されるようになって10年になるが,そのルーチン検査としての可能性が検討される一方,基礎的研究における貴重な業積が集積され,Human Tumor Clonogenic Assayのin vitro感受性試験としての意義付けが明らかにされてきている.
 最近では,さらにMINI-Assayや,MTT-Assayなど,新しいtn Vltro感受性試験が試みられ,制癌剤のより的確な選択のための検討が繰り返されている.

切除組織を用いる制癌剤感受性—subrenal capsule assay法

著者: 佐々木常雄 ,   坂井保信 ,   高本滋

ページ範囲:P.1059 - P.1066

 ヌードマウスの皮下に移植した腫瘍に対する薬物の感受性テストは,腫瘍生着率が低いこと,結果が出るまで長時間を要すること,費用がかかることなどが大きな欠点である.
 一方,ここに紹介するsubrenal capsule assay法は腫瘍組織の構築を保ったままで不均一な癌細胞の集団に対しての感受性を評価できること,生体内で活性化される薬剤をも検討しうること,評価可能率が高いこと,短時間で結果がわかることなどこれまでにないメリットを持っている.われわれは臨床との相関に主眼をおき,Bogdenらの方法にいろいろな改良を加えてきた,特に腫瘍の大きさの測定は三次元(容積法)で行い,良好な結果が得られている.

総説

制癌剤の検査データへの干渉

著者: 荒木英爾

ページ範囲:P.1067 - P.1074

◆はじめに
 制癌剤は主として外科療法,放射線療法などと併用して癌の治療に用いられ,特に白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,絨毛上皮腫,Wilms腎腫瘍などでは重要な治療法になっている.その他の癌では制癌剤投与により完全治癒がみられることもあるが,奏効率は一般に低く,厳密な判定基準を適用すると10〜20%程度のことが多い.しかし,それも近年の新薬剤の開発,投与法の進歩に伴って大幅に改善されつつある.
 制癌剤の作用は,核酸合成の各段階の反応を阻害するもの,あるいはDNAに作用してDNA鎖を切断,あるいは損傷させて,DNAを鋳型とするRNAあるいはDNA合成を阻害するものが多い1).したがって,分裂増殖の盛んな癌細胞にもっとも強力に作用するが,分裂の盛んな正常細胞からなる骨髄,腸粘膜,皮膚毛根,抗体産生細胞などにも作用し,白血球減少,胃腸出血,脱毛,免疫抑制などが発現する2)

主題を語る

抗白血病剤の作用機序

著者: 田中正夫 ,   大竹順子

ページ範囲:P.1076 - P.1083

 白血病の治療には,種々の抗白血病剤が用いられる.それらはどのように作用し,寛解と呼ばれている状態になるのか.その状態をどのようにして維持していくのか.また,検査室ではどのように検査を進めていくのか.標本の作りかたや報告のしかたなど臨床との橋渡しをどのように行うのか,多くの話題を語っていただいた.

検査と疾患その動きと考え方127

子宮癌と腫瘍マーカー

著者: 蔵本博行 ,   上坊敏子 ,   林玲子 ,   大河原聡 ,   土屋元一 ,   秦宏樹

ページ範囲:P.1085 - P.1091

はじめに
 近年,癌診断の手段として各種腫瘍マーカーが注目を浴びている.婦人科領域においては,従来から用いられてきた絨毛性疾患におけるhCG,胎児性癌におけるα—フェトプロテイン,卵巣癌におけるCEAなどに加えて,CA−125を初めとしたモノクローナル抗体が臨床に応用されるようになってきている1).特に,早期発見が困難な卵巣癌では,腫瘍マーカーはきわめて有用であると考えられる.
 一方,子宮癌では,細胞診,コルポスコピー,組織診などにより,早期診断することが可能であり,特に子宮頸癌においては,死亡率も著しく低下している.とはいえ,治療後の再発の診断には,現在も不十分な手段しかなく,再発の早期発見法として,腫瘍マーカーに期待されるところは大である.

座談会

治療モニターとして腫瘍マーカーはどれくらい役だつか

著者: 森武貞 ,   澤武紀雄 ,   野澤志朗 ,   漆崎一朗

ページ範囲:P.1092 - P.1100

 現在,癌診断法として二つの大きな柱をもっている.腫瘍マーカーによる体液診断と各臓器の画像診断とである.前者による癌の血清診断では,用いるマーカーが血中に放出されるものでなければならず早期診断の意義はあまりない.後者の画像診断は病変の局在を容易に明らかにするが,癌としての質的診断が困難な場合が少なくない.したがって腫瘍マーカーの最大の有用性は治療モニターとしての意義であろう.本座談会はこの点に焦点をあてて腫瘍マーカーの現状から将来について話しあった.

新しいneuropeptides・4

GalaninとHelodermin

著者: 矢内原千鶴子

ページ範囲:P.1106 - P.1113

Galanin
 すでに構造の明らかにされているペプチドホルモン,神経ペプチドの中で,その約半数はC末端にα—アミド構造—CONH2をもっている.Tatemoto, Muttらは,この事実に着目し,生体組織中の新しい生理活性ペプチドを探索するに際し,従来用いられてきた生物学的アッセイ法に代わって,このC末端アミド構造を指標とした化学的検索法を考案した.続いて,これを応用し,peptide HI (PHI),peptide YY (PYY),neuropeptide Y (NPY)などの新しい活性ペプチドを単離,同定した.galaninもまた,その一つである1)
 TatemotoらはPHIとPYYの精製単離中,ブタ腸管抽出物中にC末端がアラニンアミドのペプチドが存在することを見いだし,1983年この成分の単離に成功し,一次構造を明らかにした.この新しいペプチドはN末端がグリシン(G),C末端がアラニンアミドであったところからgalaninと命名された.

注目される腫瘍マーカー・5

胃低分化腺癌に対するモノクローナル抗体

著者: 落合淳志 ,   横崎宏 ,   田原栄一

ページ範囲:P.1115 - P.1121

はじめに
 KöhlerとMilstein1)らによるモノクローナル抗体の作製法の確立以来,数多くのモノクローナル抗体を利用した癌診断,治療への応用が試みられ,このうち数種の抗体はすでに臨床応用されている.一方,ヒト胃癌に対するモノクローナル抗体の作製も数多く試みられており2,3,4),このうち多くのものは糖鎖を認識していることが明らかとなっている.
 われわれも,ヒト胃低分化腺癌培養細胞株に対してモノクローナル抗体の作製を試み,作製された抗体のうち,免疫組織化学的に興味ある反応と組織分布を示す抗体を得たので,その抗体の性状と臨床応用への基礎的検討について述べる.

編集者への手紙

LDH結合性免疫グロブリンの出現頻度—集団検診の立場から

著者: 森山隆則 ,   信岡学 ,   牧野幹男 ,   岡村毅与志 ,   並木正義

ページ範囲:P.1123 - P.1124

1.はじめに
 1967年に,Ganrot1)によってはじめて報告されたLDHと免疫グロブリンの複合体は,今日,酵素結合性免疫グロブリンの一つのモデルとして,血清酵素に普遍的にみられる事実として理解されるに至っている2,3)
 このLDH結合性免疫グロブリンの出現頻度について,堤4),戸沢ら5)は献血者を母集団に,藤田ら6),戸沢ら5)は外来入院患者を母集団についてそれぞれ報告している.

研究

Leulla陽性リンパ球測定における洗浄全血球法と分離リンパ球との比較

著者: 平田稔

ページ範囲:P.1125 - P.1128

はじめに
 Natural Killer(NK)細胞は免疫していないマウス,ヒトなどのリンパ球が,ある種の腫瘍細胞に対して障害性を示すことから命名された細胞であり1),腫瘍に対する初期の防御や自然抵抗性にかかわる細胞と考えられている.NK細胞の測定法は,NK細胞活性を測定する方法2)と大顆粒リンパ球large granular lymphocytes(LGL)の特徴をもつNK細胞を形態学的に測定する方法3)がある.さらに,NK細胞の膜表面抗原を認識するモノクローナル抗体が作製,市販されるようになり,フローサイトメトリーの普及と相まってNK細胞の免疫学的解析が可能となった2)
 現在,一般検査としてリンパ球表面抗原の測定を行う場合,全血法が主流を占めており,大量検体処理に不利な分離リンパ球法はあまり行われていない.しかし,NK細胞と反応するモノクローナル抗体のうち,Leu 11 aは全血法ではほとんど反応せず4),そのために新たな対応が必要となる.

髄液および尿の蛋白定量6法の比較検討

著者: 島崎伊津子 ,   内記三郎 ,   細谷孝子 ,   松田正毅 ,   佐藤伸二 ,   高橋薫 ,   桜川信男

ページ範囲:P.1129 - P.1132

はじめに
 髄液および尿の蛋白定量には紫外部吸収(280nm)法,色素法,比濁法などが用いられているが,それぞれの感度や蛋白質に対する特異性が異なるため,特に臨床的に正確さを要する低濃度領域の測定値に差が生じる.われわれはその原因を追究するために髄液,尿を用い,Biuret rate法(B-R法)1),Sulfosalicylic acid法(SSA法)2),Trichloroacetic acid法(TCA法)3),Benzethonium chloride法(B-C法)4),Coomassiebrilliant blue G−250法(CBB法)5),Pyrogallol Red法(P-R法)6)の基礎的検討(再現性,直線性,回収率,諸物質の影響)に加え,回帰分析および渡橋および大橋のκ2検定法7)を用いて比較した.さらに,カラムによって低分子物質を除去し同様に比較した.

マウス腎被膜下移植法によるヒト悪性腫瘍の制癌剤感受性試験

著者: 福地かおり ,   宮本京子 ,   穴井秀明 ,   楠本宏記 ,   前原喜彦 ,   杉町圭蔵

ページ範囲:P.1133 - P.1135

はじめに
 現在,癌患者に対する化学療法において,経験的に有効といわれてきた制癌剤が主に用いられている.しかし,制癌剤感受性試験を行い,もっとも有効と期待される制癌剤を決定し,その薬剤を投与することは癌化学療法の成績向上につながる重要なことである1,2)
 in vivoの制癌剤感受性試験として今まではヌードマウスを用いる方法3,4)が主であったが,マウス腎被膜下移植法(subrenal capsule assay;SRC法)5〜7)が最近注目を集めている.この方法はコンベンショナルマウスを用い,短期間(6日間)のうちに制癌剤の効果を判定できる利点をもっている.今回,われわれはヒト悪性腫瘍22例についてSRC法を試みたので,その感受性結果を報告する.

資料

ビクトリアブルーBを用いた細菌鞭毛染色法について

著者: 井戸好美 ,   竹内典子 ,   藪内英子

ページ範囲:P.1136 - P.1140

はじめに
 鞭毛の位置,数,および波形を決めるための鞭毛染色は細菌を分類・同定するうえで重要な試験の一つである.鞭毛染色にはLeifson法,Löffler法,西沢・菅原法,戸田法などいろいろある1).なかでもタンニン酸とフクシンを用いたLeifsonの鞭毛染色法は,染色操作が一度だけで良いという点で簡単であるとともに,染色液を長期保存できること,標本が美しいことなどの点で優れている.新たに市販されたビクトリアブルーBを用いた鞭毛染色液シオノギ(塩野義製薬)による染色法は,未固定菌液でも鞭毛を染めることができた.われわれは,発酵および非発酵性のGram陰性桿菌15属26菌種26株と嫌気性Gram陽性有芽胞桿菌1属2菌種2株の計16属28菌種28株を使い,ビクトリアブルーB染色液の性能を調べたので報告する.

質疑応答

臨床化学 アポ蛋白Bの性状と機能およびリポ蛋白の保存法

著者: T夫 ,   櫻林郁之介

ページ範囲:P.1141 - P.1142

 〔問〕以下の二点について御教示ください.①今日,アポ蛋白の重要性について論議されています.とりわけ,アポ蛋白Bは血清中に多く含まれると言われていますが,どのような性状のアポ蛋白で,その主たる機能は何ですか.

臨床化学 カラムへの充填方法とアフィニティークロマトグラフィーの行いかた

著者: I子 ,   高塚純 ,   五十嵐紀子

ページ範囲:P.1142 - P.1145

 〔問〕イオン交換クロマトグラフィー,G200クロマトグラフィーなどで,カラムに詰める順序と注意点をご教示ください.また,アフィニティークロマトグラフィーの行いかたをご教示ください.

血液 PT,APTTの異常値の原因は

著者: 荒瀬淑子 ,   石井啓子 ,   渡辺清明

ページ範囲:P.1145 - P.1146

 〔問〕COAG-A-MATEでPT(シンプラスチンオート,小野薬品),APTT(プラテリンAオート,小野薬品)を測定したところ,PTで13.0秒以上,APTTで110秒以上という異常値が出たので,数時間後,あるいは翌日採血しなおすと,こんどは正常値でした.こうした例が過去1年間で8例あり,原因が不明で困っています.フィブリノゲン,ヘパプラスチンテストの値はほとんど変化ありませんが,気になるのは,同一の病棟(内科,肝疾患)であることです.また点滴のそばでの採血ではないとのことです.原因究明の手がかりをご教示ください.

血液 赤血球沈降速度(赤沈)検査について

著者: Y生 ,   山田享弘 ,   福武勝博

ページ範囲:P.1146 - P.1147

 〔問〕検血一般(RBC・WBC・Hb)と同時に赤沈検査を行う際,採血量を少なくするために検血般の測定をした残量で行いたいと思います.3.8%クエン酸ナトリウム液を使用しますが,抗凝固剤には何を用いたらよいでしょうか.また,抗凝固剤入りの血液による血沈測定で重大な過失はないものでしょうか.

免疫血清 RF測定(定量)における血清の非動化

著者: S生 ,   水谷昭夫

ページ範囲:P.1147 - P.1149

 〔問〕近年,ラテックス免疫比濁法,TIA法などの開発によりRFの定量化が進められているが,被検血清の非動化前後で測定値に影響がみられる(非動化すると低値となる)のはなぜか,その理由と,被検血清は非動化すべきか,それとも新鮮血清を用いるべきか,ご教示ください.
自施設データ:TIA法(日水製薬).COBAS FARA

免疫血清 IgGの抗体価への影響は

著者: K子 ,   水谷昭夫

ページ範囲:P.1149 - P.1150

 〔問〕血清反応(blue-ASO)におけるIgMの関与を調べるのに,血清を2ME処理して抗体価が下がればIgMが関与していたと考えるようですが,IgMが処理された一量体のIgGは抗体価には影響を与えないのでしょうか.

免疫血清 EMIA法とは

著者: Q生 ,   宮井潔

ページ範囲:P.1150 - P.1152

 〔問〕最近,EIAの中でリポゾーム膜—抗体イムノアッセイまたはEMIA法と呼ばれる方法があるそうですが,どんな方法ですか.また,抗体でない免疫グロブリン,胎盤性ゴナドトロピン,CRPなどがなぜ測れるのか,ご教示ください.

免疫血清 Polyclonal-free L鎖とは

著者: Q生 ,   大谷英樹

ページ範囲:P.1152 - P.1153

 〔問〕『臨床検査』vol.30 no.4(1986年4月号),437〜439ページの「Bence Jones蛋白検出時の解釈」(鉢村和男,他)の中に出てくるpolyclonal-free L鎖とはどういうものなのか,お教えください.

一般検査 尿比重に影響を及ぼす因子は

著者: 加藤節子 ,   折田義正

ページ範囲:P.1153 - P.1154

 〔問〕70歳,男性で尿比重1.120を測定しました(測定は,エルマの屈折計にて5倍希釈尿を使用).浸透圧,電解質ともに正常,蛋白(—),糖(—),室温は20℃前後です.主治医は「患者も元気であり,高比重の原因は考えられず,採尿後の問題であろう」と言っています.何日か後の測定では,1.023付近でした.原因としてどのようなことが考えられるか,ご教示ください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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