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雑誌目次

論文

臨床検査32巻12号

1988年11月発行

雑誌目次

今月の主題 血中薬物濃度測定法の進歩 巻頭言

血中薬物濃度測定法の進歩

著者: 大久保昭行

ページ範囲:P.1445 - P.1445

 血中薬物濃度測定は,最近臨床検査に登場した新しい分野であり,今後ますます発展が期待される分野である.
 臨床検査データは医師のディシジョンメーキングの基礎となるものであり,データの信頼性が診療の質に影響する.とりわけ血中薬物濃度の測定ミスは直接治療方針に影響し,無効な治療の持続や副作用の発現に導く可能性がある.したがって血中薬物濃度の測定には,精度管理が重要であり,測定法について十分な知識が必要となる.本特集号は,幸いにも第一線の専門家に測定法の解説をお願いできた.読者に役だつ内容となっていると信じている.

総説

血中薬物濃度測定について

著者: 中恵一

ページ範囲:P.1446 - P.1452

 薬物療法を有効に,かつ高い質で実施するためには,従来の各種計量的な検査に加え,直接血中での薬物濃度の測定を行うべき薬剤が多くある.これは用いる薬物が,製剤法,投与法,患者の個人差などによって作用部位での有効濃度が大きく変化する場合に特に強調される.血中薬物濃度測定の応用は二段階の過程で行われる.まず,同一母集団に対して多くのデータを収集し,これを統計処理することによって薬物の有効血中濃度の確保に必要な薬物動力学的情報を得る.次に,個々の患者に対して,先に得られた情報に基づき有効な投与量と投与法を推察し,実行してこれを管理するための測定を繰り返し行う.
 薬物の血中濃度測定は,現在高速液体クロマトグラフィー,ガスクロマトグラフィー,免疫化学的測定法(ラジオイムノアッセイ,エンザイムイムノアッセイ,蛍光イムノアッセイなど)を主体として実施されている.クロマトグラフィーは分離と定量を逐次的に行うことから,目的物質の測定に付随してしばしば代謝物質の測定も可能である.免疫化学的な方法は操作が簡略化でき,共存物質の存在下で高い特異性を発揮する.測定の実施に際しては,採血法,検体容器,前処理など測定前に由来する多くの誤差要因があり,統計的なデータとしての薬物動力学的情報を利用するうえで測定の標準化が必要である.

技術解説

抗てんかん薬

著者: 五味田裕 ,   古野勝志 ,   荒木泰典

ページ範囲:P.1453 - P.1458

 てんかん患者は疾患の性質上,その治療および抗てんかん薬の投薬も長期にわたることが多い.抗てんかん薬の治療効果はその血中濃度と深い関係があると言われている.また,抗てんかん薬の血中濃度において,てんかん発作を抑制する有効血中濃度と中毒発現濃度の許容範囲が狭く,その投与計画においては十分な注意を払う必要がある.そのため抗てんかん薬の血中濃度の測定は重要視せざるをえない.なお,その測定法については,検出感度および精度が優れ,また少量の試料で迅速な測定が可能であることが望まれる.本稿では,最近の抗てんかん薬の血中濃度の測定法,およびその特徴について簡単に述べることとする.

循環器用薬

著者: 佐藤友英 ,   石川康朗

ページ範囲:P.1459 - P.1465

 循環器用薬の中では,ジギタリス製剤や抗不整脈剤の血中濃度モニタリングが臨床上行われており,健保の適用を受けている.これは,両剤とも治療域と中毒域が接近していたり,一部重なったりしていることや,過剰時に致死的な不整脈を引きおこすことがあるためである.
 本稿では,現在最も血中濃度の測定が実施されているジギタリス製剤に的を絞って,血中濃度測定法の進歩,血中濃度測定の意義や問題点,さらにその臨床応用などについて,臨床サイドから解説を行った.
 血中濃度の測定はきわめて有用であるが,近年操作をほぼ全自動化することによって試薬と検体の微量化と測定時間の短縮が図られている.これは大変よい傾向であるが,一方では高価なことが欠点である.血中濃度の測定が普及するためには,装置などを安価にする努力が希望される.

抗菌薬

著者: 中山一誠

ページ範囲:P.1466 - P.1472

 抗菌薬の体液内濃度測定法の歴史はペニシリンGの登場により,その製剤検定と同時に濃度の測定を目的として生物学的測定法(bioassay)が確立された.特に重層法(vertical method)はわが国において,鳥居・川上両博士により開発されたため,鳥居・川上の重層法と一般的には呼ばれている.また,化学的定量法(chemical assay)に関しては,多くのサルファ剤の誘導体が合成され,その測定方法としてBratton-Marshall法が開発された.その後,測定方法も種々の変遷を経て,現在最も普及したのが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)である.
 抗菌・抗生物質の血清中濃度を測定し,治療効果を促進するばかりでなく,副作用の発現を阻止しようとする考えは古くからあったが,血清中濃度を迅速に測定する方法が皆無であった.しかし近年にいたり,①機器分析の発達による測定方法の開発,②RIA,EIAの導入,③コンピュータの進歩,④薬物動力学の臨床応用など,開発が急速に進み,血清中濃度のモニタリング(therapeutic drug monitoring;TDM)の臨床応用が可能となった.
 抗菌薬の体液内濃度測定は,臨床応用に際して投与量と有効濃度との関係,投与間隔および副作用との問題より重要である.最近の傾向としてはある1点の血清中濃度を測定し,薬物動力学のコンピュータ導入により,その薬剤の運命を推定しようとする試みである.すなわち,population pharmacokineticsと呼ばれる手法であり,期待がもたれる.

向精神薬—特に躁病,うつ病治療薬

著者: 多田昭博 ,   全田浩

ページ範囲:P.1473 - P.1477

 躁病治療薬,炭酸リチウムの血中濃度モニタリングは,わが国で初めて特定薬剤治療管理料が認定されたように,その治療域の狭さ,中毒作用の重篤さより治療上欠くことのできないものとなっている.リチウム塩の測定は炎光光度法,原子吸光法で行い,一般的治療域として,服用後12時間の採血において0.6〜1.2mEq/lとなるように投与量を設定する.リチウム血中濃度に影響を与える要因として腎機能,ナトリウム摂取量,サイアザイド系利尿薬などがある.三環系抗うつ薬の血中濃度測定も,特定薬剤治療管理料が認定されたことより,今後多くの施設で行われるようになるであろうが,血中濃度と治療効果の関係についても明確でない点が残り,今後の進展に注意しながら臨床応用する必要がある.


訂正とお詫び

 本誌,32巻12号(11月号),1473〜1477ページ,技術解説「向精神薬—特に躁病,うつ病治療薬」の中に"三環系抗うつ薬の血中濃度測定に対し特定薬剤治療管理料が認定された"と記載されていますが,これは誤りでありまだ認定を受けておりません.ここに,訂正してお詫びいたします. 「臨床検査」編集室

テオフィリン

著者: 中島理 ,   一色玄

ページ範囲:P.1478 - P.1484

 テオフィリンは気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患,また未熟児の無呼吸に対する治療薬として汎用されている.しかし,テオフィリンは治療域と中毒域との差が少なく安全性の低い薬物であり,また血中からの消失速度の個人差も大きく,至適投与量は患者ごとに大きく異なる.そのため,テオフィリン治療を安全にかつ有効に行うには,血中濃度をモニタリングすることが非常に重要である.
 従来,血清中テオフイリン濃度の測定法として高速液体クロマトグラフィー(HPLC法)が一般によく使用されてきたが,現在では操作の簡便性,迅速性に優れた種々の免疫化学測定法が繁用されている.しかし,これらの方法はいずれも抗原抗体反応を応用しているため,テオフィリンと構造が類似した化合物に対する交差反応性が問題となる場合がある.交差反応性を低くし,ロット間変動を減少させる目的として,モノクローナル抗体が導入され,良好な結果が得られているが,各測定法の特徴を十分把握して測定に臨むことが大切である.

シクロスポリン

著者: 西原カズヨ ,   山村喜一

ページ範囲:P.1485 - P.1493

 免疫抑制薬であるシクロスポリンA (CYA)は,臓器移植や,ベーチェット病の眼疾患に広く用いられ,その有用性が注目されるとともに,腎障害などの副作用防止が強く望まれていた.そして多くの検討結果から,CYAによる適切な治療には,血中CYA濃度測定が必要かつ不可欠になった.現在,その治療有効濃度はラジオイムノアッセイによる値が用いられ,次回投与直前の血漿中濃度で50〜200ng/ml,血液中濃度で250〜1000ng/mlである.この値は,一部代謝物をも含む濃度であることから,CYAのみの濃度測定値が得られるような測定法の開発および治療有効濃度が検討されつつある.その他の測定法としては,蛍光偏光イムノアッセイおよび高速液体クロマトグラフィーがある.また,CYAは吸収率が一定でなく,種々の併用薬や疾患により体内動態が変化することから,血中CYA濃度測定はさらに必要性が増している.

血中薬物濃度測定法のデザイン

著者: 野口英世

ページ範囲:P.1494 - P.1499

 血中薬物濃度測定の対象となる薬物は,有効血中濃度が明らかにされており,安全域が比較的狭く,その薬物動態が投薬の状況,患者の状況や病態などによって変動しやすいものに限られる.また,血中薬物濃度は臨床検査の対象となっている内因性物質のようにつねに定常状態にあるわけでなく,投与のたびに増減を繰り返しているので,投薬時間と採血時間が正確に把握されていなければならない.測定に用いる分析法は,併用薬による妨害を受けず,採血や血漿分離・保存に用いた容器類から妨害物質が混入しないことなどを確認し,血漿中での薬物の安定性と検体が搬入されるまでの状況についての把握が必要である.また,分析の精度,正確さや日間変動,担当者間差,機器間差などの精度管理を十分行い,正確な測定値を得る努力をしなければならない.

最新の機器・システム情報

エミット

著者: 第一化学薬品株式会社

ページ範囲:P.1500 - P.1501

1.測定方法
Homogeneous Enzyme Immunoassay
2.測定方法名

セラライザーIIIシステム

著者: マイルス・三共株式会社

ページ範囲:P.1502 - P.1503

 セラライザーIIIシステムは,dry reagent technologyにより開発された試験紙の呈色反応速度を,専用機器セラライザーIIIリフレクタンスフォトメーターで測定し,血清(血漿)中薬物濃度をμg/ml単位で定量できる化学検査システムである.

コダック エクタケムDT60テオフィリン

著者: 長瀬産業株式会社医療システム部

ページ範囲:P.1504 - P.1505

1.測定方法
酵素阻害法
2.測定原理

デュポンaca—テストパックシリーズ

著者: リミテッドデュポン ジャパン

ページ範囲:P.1506 - P.1507

 デュポンacaには,現在17項目の血中薬物濃度測定用テストパックがあります(表1参照).サリチル酸は比色エンドポイント法ですが,それ以外の項目はすべてなんらかの形で免疫反応を利用しています.ここでは,その中でも特にacaテストパックの特徴を生かしたジゴキシンの測定法について述べます.

TDXシステム—TDXアナライザー/試薬

著者: ダイナボット株式会社 診断薬・機器事業部

ページ範囲:P.1508 - P.1508

1.測定方法・原理免疫蛍光測定法
(Fluorescence Polarization Immuno Assay)
2.測定方法名FPIA

鼎談

TDMの現状と将来—特にわが国における問題点

著者: 大久保昭行 ,   石崎高志 ,   西原カズヨ

ページ範囲:P.1510 - P.1518

 最近,臨床検査の領域で大きな比重を占めつつある血中薬物濃度の測定について,薬物動態の基本を裏付けにその臨床的意義を強調するとともに,わが国の現状における問題点を摘出し,ポピュレーションデータ蓄積の重要性,データベース構築の必要性など,将来に向けての十分な態勢づくりを模索する.

学会印象記

第3回臨床検査の自動化と新技術に関する国際会議/第20回日本臨床検査自動化学会

著者: 亀井幸子

ページ範囲:P.1519 - P.1520

新技術を深く掘り下げた有意義な学術交換
 去る9月5日から9月8日までの4日間にわたって,"第3回臨床検査の自動化と新技術に関する国際会議"(3 rd International Congress on Automation andNew Technology in the Clinical Laboratory)が神戸・国際会議場で開催された.大会長は大阪市立大学の奥田清教授で,IUPACの臨床化学部門の後援,IFCC,日本臨床病理学会,日本臨床化学会,日本臨床検査自動化学会の賛助を得て,参加者360名(うち海外より120名,国内から240名)を集めて,みなと神戸の国際的な雰囲気の中で行われた.
 開会講演にはAACCの次期総会長に決まったC.A.Burtis博士が「最近の技術発展が臨床検査の自動化に与えたインパクト」,総会講演には奥田清教授が「日本におけるドライケミストリーの新機軸」,スペインのGalimani博士が「自動分析装置の連続的評価のプロトコール」と,学会のタイトルにふさわしい主題で話された.そのほかは,二会場を使って15セッションのシンポジウム(専門システム,免疫診断学,全血を用いる生化学分析,分離技術,ロボット化,血液その他生体試料中の微量金属の分析,遺伝子技術,血液凝固に関する新技術,唾液を使用する新しい診断技術,微生物学における新技術,バイオセンサー,小規模検査室に対するインストラクト,フローサイトメトリー,発光を利用した測定法,血液学における新技術),および2セッションのワークショップ(遺伝子技術,微生物検査の自動化)が行われた.一般演題は61題で,全部がポスター発表として2日にわかれて行われた.全部のセッションを取材することはできなかったので,全く個人的な印象を述べさせていただく.

高速液体クロマトグラフィー・5

生理活性アミン

著者: 大倉洋甫 ,   能田均

ページ範囲:P.1522 - P.1527

 生理活性アミンの測定法は診断,病態の把握などに有用である.現在,高感度かつ高選択的な測定法として電気化学検出または蛍光検出による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が繁用される.ここではカテコールアミン(ノルエピネフリン,エピネフリンおよびドーパミン),セロトニン,ヒスタミン,ポリアミンおよびアセチルコリンのHPLC分析における試料の前処理,HPLC分離,誘導体化および検出について概説する.

研究

免疫溶血濁度測定法による血清補体価(CH50)の簡易自動化法

著者: 三浦隆雄 ,   小坂諭 ,   高野友丈 ,   後藤甚作 ,   猿田栄助

ページ範囲:P.1537 - P.1540

 血清補体価(CH 50)の測定を自動分析機に適用した.測定原理は,補体による感作赤血球の溶血程度を波長660nmでの濁度の減少としてとらえ,溶血反応進行中の定時での濁度の変化量からCH50を評価する方法である.標準は,CH 50既知健康人血清の希釈系列を多点測定して得た濁度の減少曲線である.測定範囲は1回の測定で適当な反応時間を任意に選択することで延長できた.この自動化法は測定精度,従来法との相関も良く,微量試薬で簡易迅速に多数検体処理が可能であった.

資料

CA 130のサンドイッチRIA測定系の基礎的検討

著者: 桑原正喜 ,   有吉寛 ,   須知泰山

ページ範囲:P.1541 - P.1546

はじめに
 1986年松岡らが,肺腺癌細胞株PC−9を免疫原として二つのモノクローナル抗体(130-22,145-9)を作製した.これらの抗体は正常組織とは反応せず,肺癌組織と特異的に反応すること,さらに卵巣癌組織とも反応することが見いだされた.また,CA 125との関係を見た検討より,これらの抗体はPC−9の細胞膜に存在するCA 125分子と反応することが明らかにされた.しかし,モノクローナル抗体OC 125とは別の抗原決定基を認識していると考えられている1〜3)
 これらのモノクローナル抗体を利用したラジオイムノアッセイが開発され,認識される抗原分子CA 130が肺癌および卵巣癌の腫瘍マーカーとして期待されている.

CA130の臨床的評価

著者: 桑原正喜 ,   有吉寛 ,   須知泰山

ページ範囲:P.1547 - P.1552

はじめに
 CA 130は,松岡らが肺腺癌細胞株PC−9を免疫原として作製した.二つのモノクローナル抗体(130-22,145−9)により認識される抗原分子であり,肺癌組織および卵巣癌組織に存在することが明らかとなっている.また,本抗原の決定基は,CA 125分子上の異なる位置に存在すると報告されている1,2)
 最近この抗原分子の測定系が開発され,CA 125同様血清中の腫瘍マーカー3,4)として卵巣癌および肺癌の診断および経過観察に利用されることが期待されている.

質疑応答

免疫血清 多発性骨髄腫のMバンドの同定法

著者: Q生 ,   伊藤喜久

ページ範囲:P.1553 - P.1556

 〔問〕多発性骨髄腫の患者の免疫電気泳動で,fast—γ位に抗IgAと反応した1本のMバンドが認められたが,L鎖において抗L—κと抗L—λにも反応しています.免疫固定法を行ってみましたが,抗IgAと同じ易動度の場所に抗L—κと抗L—λに反応して,このMバンドがκ型かλ型か区別がつきません.尿を100倍に濃縮してみましたがBence Jones蛋白は認められず,高分解能といわれるコーニング社のHigh Resolutionフィルムでも区別できませんでした.どのように同定したらよいか,ご教示ください.

免疫血清 小児のM蛋白血症

著者: T生 ,   加納正

ページ範囲:P.1556 - P.1558

 〔問〕1歳8か月の男児で,若年性関節リウマチで入退院を繰り返す.昭和63年4月26日の蛋白分画では,γ域15.4%,総蛋白6.5g/dl,同年5月6日のそれではγ域34.5%,総蛋白8,3g/dlと増量,midγ位にM蛋白が出現,IgGのλタイプと同定.これからフォローしていくつもりですが,自己免疫による一過性のものか,薬剤の影響なのか,M蛋白出現の理由とその意味づけ,ならびにフォローのしかたについてご教示ください.

微生物 マイコプラズマとウイルス感染の診断に用いられる術式とその抗原

著者: K生 ,   荒井澄夫

ページ範囲:P.1558 - P.1559

 〔問〕マイコプラズマの検査法で,抗原としてはmycoplasma(pmeumoniae)の脂質抗原を用い,相関をとるためにm. p.のCF抗原(デンカ生研社)を用いたところ,相関係数,回帰直線とも良好でした.ウイルス抗原としては,脂質抗原と蛋白抗原のどちらでもよいのでしょうか.

微生物 Bacillus thuringiensisの鑑別と病原性

著者: H夫 ,   品川邦汎

ページ範囲:P.1559 - P.1563

 〔問〕最近,生物農薬としてBacillus thuringiensisという菌が使用されているそうですが,①この菌はBacilluscereusと分類学上どう違うのか(その鑑別法),②この菌のヒトに対する病原性はどうか,についてご教示ください.

微生物 定着因子の病原因子としての意義

著者: T生 ,   本田武司 ,   矢野トモマサ

ページ範囲:P.1563 - P.1566

 〔問〕毒素原性大腸菌の病原因子として,これまで耐熱性あるいは易熱性エンテロトキシンの重要性が言われてきましたが,最近,定着因子も病原性発現に必須であると言われています.そこで,①定着因子とは何か,②定着因子が病原性発現に必須であることの根拠,についてご教示ください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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