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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査36巻12号

1992年11月発行

雑誌目次

今月の主題 免疫不全症 総説

日和見感染症の現状

著者: 川名林治

ページ範囲:P.1197 - P.1200

日和見感染は平素無害ないしは弱毒と思われている微生物によって,抵抗力の減弱している易感染宿主に起こる感染症のことである.したがって,近年の変貌しつつある感染症のなかで最もたいせつな問題であり,また院内感染の主なものの1つといってよい.種々の患者の状況にもより,またその起因微生物も多岐にわたっている.ことにAIDSの日和見感染は今後大きな課題となると考えられ,臨床細菌検査室の役割はさらに重要となると思われる.〔臨床検査36(12):1197-1200,1992〕

原発性免疫不全症候群の病型と病態

著者: 早川浩

ページ範囲:P.1201 - P.1206

原発性免疫不全症候群をWHO委員会分類(1989)に従って病型別にあげ,その病態の要点をそれぞれ記した.これらは一般に稀な疾患であるが,ヒトの免疫機構の解明のために貴重な自然の実験とも考えられる点で重要である.〔臨床検査36(12):1201-1206,1992〕

AIDSの疫学と臨床

著者: 松本孝夫

ページ範囲:P.1207 - P.1211

 HIV感染症はその存在が知られて10年余りの間にほぼ全世界に広がり,WHOへの報告の集計では累積患者数は50万人を突破した.感染者は1,000万~1,500万人とも推定される.感染要因,男女差など,地域により異なるパターンを示すが,いずれにおいても通常の異性間の性(行為)感染症としての比重がより高くなると思われる.
臨床面では,この感染症の自然歴がかなり明らかとなったが,感染者の発病率は最終的にはきわめて高いと思われる.しかし抗HIV薬のあるものは明らかに発症を遅らせ,また延命効果も確認されており,徐々にではあるが治療研究の成果も示されつつある.〔臨床検査36(12):1207-1211,1992〕

技術解説

HIVの病原検査

著者: 堀内三吉 ,   山本直樹

ページ範囲:P.1213 - P.1217

HIVの抗体以外をターゲットとした病原検査法には,HIVのp24抗原,核酸の検出およびウイルスの分離法などがある.p24抗原は被検者血清などを用いて抗p24抗体をマイクロプレートに固相化したELISA法により検出する.核酸の検出は末梢血由来単球(PBMC)などを用いて,HIVのgag,env,LTRなどの領域に対する遺伝子をPCR法にて検出する.ウイルスの分離は被検者から分離したPBMCをPHAで刺激した正常人由来PBMCと混合培養を行って検出する.後二者は信頼性は高いが,簡便性,迅速性の点ではp24抗原の検出がより優れている.〔臨床検査36(12):1213-1217,1992〕

HIVの抗体検査

著者: 吉原なみ子

ページ範囲:P.1219 - P.1222

抗HIV抗体は感染してから平均6~8週間後に検出できるようになり,一生持続する.種々の検査法が開発されキット化されているが,検査法により操作の容易性や所要時間,感度および特異性が若干異なるため,スクリーニングと確認試験の2段階で行われている.感染例のほとんどは抗体検査でカバーできるが,まれに抗体が検出されない場合や母児感染のように母親の移行抗体がある場合などは,ウイルス培養や遺伝子の検索を併用すればより確実である.〔臨床検査36(12):1219-1222,1992〕

HIV感染者の免疫機能検査

著者: 立山雅己 ,   藤巻道男

ページ範囲:P.1223 - P.1226

HIVは生体内に侵入すると,CD4抗原を有する細胞(主にTリンパ球・単球/マクロファージ系細胞)に感染を成立させていく.その後病状の進行とともにCD4陽性細胞の量的・質的異常を起こし,さまざまな宿主の免疫異常状態を発現させる.HIV感染後のその病態解析のため,数多くの検査が検索されている.しかし,いまだに不明な点が多く確立されたものがないのが現状である.〔臨床検査36(12):1223-1226,1992〕

話題

チトロクロームb558―殺菌剤を生成するヘム酵素

著者: 磯貝泰弘 ,   飯塚哲太郎

ページ範囲:P.1228 - P.1229

 高等動物の体内に侵入しようとしている微生物が,その動物の生体防御システムから最初に受ける攻撃は,好中球やマクロファージなどの食細胞によるものである.食細胞が異物を認識して食胞に取り込む際,食胞内には過酸化水素(H2O2),次亜塩素酸(HOCI)ヒドロキシルラジカル(OH・)などの強い殺菌力を持つ種々の活性酸素が生成して,侵入者を破壊する1).これらの活性酸素は,食細胞の細胞膜上に存在するNADPHオキシダーゼと呼ばれる酵素系によって生成されるスーパーオキシドアニオン(分子状酸素が一電子還元されたもの,O2-)が化学変化してできたものである(図1).
 好中球をはじめとする顆粒球には,他の組織にはみられないb型のチトクロ(ー)ム(cytochrome)が存在していることが昔から知られていた.このチトクロームは,還元型で558nmに吸収極大を持つことからチトクロームb558(cyt b558)と命名された.チトロクロームb558は,最初の報告2)以降しばらくの間,機能不明のまま放置されていたが,免疫不全症の1つである慢性肉芽腫症(chronic granulomatous disease;CGD)の患者のなかには,その好中球にチトロクロームb558が欠損しているものがあることが発見3)されてから,NADPHオキシダーゼ系と関連させて詳しく研究されるようになった.

慢性疲労症候群と免疫異常

著者: 木谷照夫

ページ範囲:P.1230 - P.1231

 1.はじめに
 近頃,マスメディアによく取り上げられている慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome;CFS)は一般の人々の間でも,医師の間でも最近のトピックスとなっている.その理由の1つは第2のエイズであるとか,米国には数百万人の患者がいるという一般誌の誤ったセンセーショナルな報道にあり,2には慢性疲労症候群という病名から受ける印象が過労死や働きすぎなど現在の社会の関心事と結びつき,両者あいまってこのように人々の注目を引くことになったものと思われる.しかし,このCFSについての情報や理解は正しいものではない1)
 CFSの病因をウイルス感染と考える人が多いが,今までのところ確実な原因ウイルスは見いだされていない2),ウイルス説のほか,真菌感染,免疫異常,内分泌異常などを原因とする考えや,単に精神疾患とする説などさまざまな説が飛びかっているが,これまた今までのところいずれとも明らかでない.本稿では,簡略に病態を述べ,免疫学的異常を中心に述べてみたい.

座談会

免疫不全症をめぐって

著者: 矢田純一 ,   松田重三 ,   吉田孝人 ,   関口進

ページ範囲:P.1232 - P.1243

 "免疫不全症"はどちらかと言えば理解の難しい分野であるうえ,疾患が次々に明らかになり分類も複雑化しているように見える.教科書によって分類されている疾患が異なったり,定義も概念もつかみにくいので,この分野は苦手だという人も少なくない.そこで今回は,"免疫不全症"の分類・概念を明確にすることから始め,診断・治療の考えかたをご解説いただく一方,新しい進歩にも目を向けわかりやすくポイントを整理していただいた.

連載 重複表現型の白血病細胞・5

骨髄系白血病細胞にも集合性顆粒のみられたbilineal型白血病

著者: 榎本康弘

ページ範囲:P.1192 - P.1193

 前回はinterlineageの重複表現型の白血病細胞の一例について解説したが,今回は白血病細胞が表面マーカー,細胞化学および超微形態的検索によりT細胞系と骨髄系細胞からなるbilineal型の急性白血病で,超微形態的に両系統の細胞にみられる顆粒が集合性の像を呈していたのが特徴である.

COFFEE BREAK

Patients

著者: 屋形稔

ページ範囲:P.1200 - P.1200

 "Patients must be patient (病者とは耐え忍ぶ者の謂である)".故東大医学部細川宏教授の遺稿集『病者・花』にこの言葉がある.「病者は辛抱づよく耐え忍んでいる 何に耐え 何を忍ぶというか その身を襲う病苦の 激しくかつ執拗な攻撃を じっと耐え忍ぶのだ……」と続くこの一節は,病者が理不尽な攻撃に耐え忍ばねばならない苦しい斗いが記されている.
 医療従事者は病者にある程度の支援は送ることができても,本質的には無力な存在かもしれない.病者はときに身を守るべき一片の盾もなくひたすら時の経過を待つしかないことも多い."死よ驕るなかれ"というドラマもあったが,医師や技師も己れの仕事に驕ってはならない.病者が救われるとしても,その人自身の忍耐と斗いの結果が大部分であるとさえいえるのである.

A-A

著者: 𠮷野二男

ページ範囲:P.1226 - P.1226

 Skeggが連続流れ方式による自動化学分析装置を考案し,Technicon社が製品化したときに,その名称をAuto-Analyzerとして登録商標とした.すなわち"オートアナライザー"というのは,このものに対する商品名である.
 略してA-Aなどと記したこともあり,臨床検査に利用され,増大する検査の要求に応えて,その対応機種として,また,当時唯一の自動分析機であり,多数の検体を処理するのに役だってきた.それで,自動化学分析装置にオートアナライザーという語が,その代名詞のように使われた.

学会印象記 日本臨床検査自動化学会第24回大会

日本臨床検査自動化学会の新しい展開

著者: 尾鼻康朗

ページ範囲:P.1212 - P.1212

 日本臨床検査自動化学会第24回大会は1992年9月11日,12日に神戸国際会議場および神戸国際展示場において,高橋浩大会長(天理ようづ相談所病院/天理医療技術学校)のもとで盛大に開催された.今学会の内容は,特別講演1題,大会長講演1題,シンポジウム7題,ミニシシンポジウム5題,機器・試薬セミナー36題,一般演題260題で,その他多数の試薬および分析装置の展示が行われ,それぞれの会場において活発で,有意義なディスカッションが繰り広げられた.

海外だより

スリラン力国滞在雑記

著者: 林康之

ページ範囲:P.1218 - P.1218

 成田空港まで3時間,離陸して福岡経由約11時間でスリランカ国コロンボ空港に着陸する.米国の西海岸やヨーロッパへと旅立つよりははるかに楽な飛行時間である.福岡からの所要時間はたぶんシンガポールまでと同じか少し短いと感じた.
 スリランカ国はインドのほぼ南端に接して水滴のようにブラ下がった島,といっても九州より大きく北海道より少し小さい常夏の緑の島である.縁あって約1年間首都コロンボの国立医学研究所にJICAプロジェクトチームの一員として滞在した.

ネパール

著者: 九鬼宏美

ページ範囲:P.1246 - P.1247

 ●気候・暮らし・エトセトラ……
 8,000m級の山々を有するヒマラヤという自然環境に囲まれた神秘の国,ネパール.私が青年海外協力隊に参加し,初めて訪れた国です.
 人口の50%がヒンズー教徒のネパールでは,いまだカースト制度が残っているなど文化的な面での相違をかなり感じました.住民も山地低部と中高部とでは,前者がネパール的ヒンズー教徒なのに対し,後者はチベット・ビルマ系であるなど多民族で構成されている国家です.首都はカトマンズで,高度1,337mに位置します.山国なので高度によって気候がかなり違い,カトマンズにおいても10~4月は気温が10~15℃で雨も少なく,5~9月は23℃前後で雨も多くなります.地方では電気・ガス・水道といった設備はほとんどなく,山岳部などでは道路が整備されていないため,長距離の移動は空路に頼らざるを得ない現状です.

血管病変の病理・5

動脈炎と静脈炎

著者: 小松明男 ,   直江史郎 ,   桜井勇

ページ範囲:P.1249 - P.1255

全身の血管壁に高度の障害をきたす炎症性疾患としては,結節性多発動脈炎,川崎病,巨細胞性動脈炎,過敏性血管炎などがある.これらの疾患のほとんどは,原因が不明であり,部位や症状も多彩である.本稿では,光顕像を中心に,これらの,いわゆる血管炎症候群と称される疾患の概要を論じた.〔臨床検査36(12):1249-1255,1992〕

トピックス

副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)とカルシウム代謝

著者: 後藤昌久 ,   石田均 ,   清野裕

ページ範囲:P.1257 - P.1259

 1.はじめに
 生体内には約1,000gのカルシウムが存在し,そのうち99%は骨に,0.9%は細胞内に,0.1%は細胞外液中にあることが知られている.血清カルシウム濃度を約8~10mg/dlの狭い範囲に調節するカルシウム代謝調節機構は,副甲状腺ホルモン(PTH),カルシトニン,ならびに活性型ビタミンDの1,25―ジヒドロキシビタミンDの3種のホルモンから構成されると考えられているが,さらに最近,悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症を惹起する液性因子として副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)が発見され1),新たな第4のカルシウム代謝調節ホルモンとしての可能性が注目されている.本稿ではPTHrPについて最新の知見を紹介する.

TOPICS

細胞内酵素と自己免疫疾患

著者: 網野信行 ,   中野卓

ページ範囲:P.1259 - P.1260

 検査分野における血中酵素測定は,従来から逸脱酵素として組織障害のよい標識とされている.各種酵素活性測定による肝機能検査がその代表的な例である.これらの酵素に対して血中に自己抗体が存在する場合,当該組織に組織障害がないにもかかわらず,酵素活性の異常高値が出るため,検査診断学的に注意しなければならない.しかし,実際臨床でこのような異常として同定されることは比較的まれである.おそらく自己抗体が存在していてもその抗体価が低いため,日常診察ではそのほとんどが見逃されているのかもしれない.また酵素の活性反応基に対応するエピトープを認識する自己抗体では,抗体があると活性が低値を示し,おそらく見逃されてしまっているのかもしれない.
 上記とは逆に,最近細胞内の一部の酵素が,対応臓器の自己免疫疾患診断のための主要自己抗原となることが注目されつつある.その代表的存在は自己免疫性甲状腺疾患における甲状腺ペルオキシダーゼである.従来,甲状腺ミクロゾーム抗原として,わが国で開発された赤血球凝集反応を用いてその抗体を測定し,橋本病,バセドウ病の診断に用いられていたものであるが1),甲状腺ミクロゾーム抗原そのものが甲状腺ペルオキシダーゼであることが判明した2).この甲状腺ペルオキシダーゼに対する自己抗体は驚くべきことに成人女性の約10%に認められ,細胞内酵素に対する自己抗体の存在が,いかに高頻度にあるかが明確にされた.

テクノストレス症候群

著者: 春日伸予

ページ範囲:P.1260 - P.1261

 1.はじめに
 現代,コンピュータは私たちの社会生活になくてはならないものとなっている.そして,それは年々,社会生活だけでなく個人の生活にまで進出してきている.こうした状況のもと,近年,コンピュータ作業に従事する人たちの健康障害が問題となっており,中でも注目を浴びているのがいわゆるテクノストレス症候群である.

細菌性分泌蛋白および線毛の外膜通過機構

著者: 永宗喜三郎 ,   本田武司

ページ範囲:P.1262 - P.1263

 1.細菌性蛋白分泌機構
 細菌は,酵素や毒素など非常に多様な蛋白質を外界に分泌するが,そのためには,ペリプラズムによって隔てられた細菌自身の持つ2つの膜を通過して行かなければならない。したがって,細菌の一般的な蛋白質分泌機序を考える際,分泌蛋白質は,①まず菌体の内膜を通過しペリプラズムに出た後,②さらに外膜を通過する,という2つのステップについての検討が必要である.
 事実,多くの分泌蛋白質はこの2つのステップモデルをとると考えられている.分泌への第1段階である内膜の通過には,E.coliで研究が進んできたシグナルペプチドによる通過機構1)をとることが多くの菌種で明らかになってきた.しかし,蛋白質がペリプラズムに進んでから以降の分泌機構の第2段階はいまだに不明なところが多く,ようやくその輪郭が描かれ始めてきたところといえる.

アクチビン

著者: 髙野幸路

ページ範囲:P.1263 - P.1264

 アクチビンは,ブタ卵胞液からFSH分泌を促進する分画として1985年に抽出,精製された蛋白質である,この物質が注目を集めるようになったのは,赤白血病細胞の赤血球への分化誘導作用を指標としてスクリーニングして得られたEDF(erythroid differentiation factor)とアミノ酸一次配列が同一であることが発見されたことによる.

研究

PCR時のコンタミネーション除去―次亜塩素酸ナトリウムの適用

著者: 白川卓 ,   西山馨

ページ範囲:P.1265 - P.1269

 次亜塩素酸ナトリウムによる種々のDNAの分解条件について検討した.Salmon DNAは次亜塩素酸ナトリウムで分解されたが,その速度は次亜塩素酸ナトリウムの濃度および処理温度に比例した.この核酸分解作用はトリス緩衝液で阻害された.プラスミドDNAは0.01%次亜塩素酸ナトリウムでは十分に分解されず,PCRでDNAの増幅が認められたが,0.1%以上の濃度では分解されPCRで検出されなかった.PCR産物は0.01%次亜塩素酸ナトリウムで速やかに分解され,PCRの鋳型とならなかった.この次亜塩素酸ナトリウムによるDNA分解作用はPCR時のDNA汚染の軽減に有用と思われる.

小児期脳波記録における過呼吸賦活法の標準化に関する検討

著者: 奥田忠行 ,   小西徹 ,   桧山幸孝 ,   鍛冶利幸 ,   新谷憲治 ,   櫻川信男

ページ範囲:P.1271 - P.1274

 小児脳波の過呼吸賦活(HV)における,①HV換気回数:20,30,60回/分,②HV換気量(VE):安静時VEの2,3,4倍,③HV賦活時間:3,4,5分で,至適なHV方法をVE,build up出現時間などを指標にして検討した.その結果,HV方法は①30回/分,②3倍,③4分が至適であった.さらにbuild upの出現程度と年齢が逆相関を示したことから,本賦活条件下では小児期脳波の発達をも検討可能と思われる.

増殖細胞核抗原(PCNA)免疫染色における抗原性の復活法

著者: 古川文夫 ,   古田京子 ,   鈴木順子 ,   三井雅之 ,   榎並倫宣 ,   西川秋佳 ,   高橋道人

ページ範囲:P.1275 - P.1278

 長期のホルマリン浸漬固定標本における増殖細胞核抗原(PCNA)の抗原性の復活について検討した.その結果,薄切切片を抗原復活液,硫酸亜鉛溶液および蒸留水に浸漬し,マイクロウエーブを照射しPCNA免疫染色を行うことにより,硫酸亜鉛溶液>蒸留水>抗原復活溶液の順で強く染色された.この中で染色性および廃液処理などの問題を考慮すると,蒸留水中でマイクロウエーブを5分間照射する方法が優れた方法であると考えられた.

尿検査に及ぼす運動負荷の影響―筋肉痛を生じた際の尿検査

著者: 東純一 ,   瀬戸米蔵 ,   大嶋好和 ,   丸山一伸 ,   徳田浩三 ,   小椋盛孝

ページ範囲:P.1279 - P.1283

 動的な筋持久力運動負荷により,試験紙法で尿蛋白および尿潜血の強度陽性が運動後の早期と3~6日目にかけて認められた.また尿蛋白,ミオグロビンおよびβ2―ミクログロブリンの排泄量も臨床上病的と判断されるレベルにまで上昇した.この事実は,臨床の場において健常人の運動負荷後の尿検査結果を腎障害などと誤診する可能性を示唆するものである.

質疑応答 臨床化学

検査室でできるホルモン定量検査

著者: O生 ,   中井利昭

ページ範囲:P.1285 - P.1286

 Q 上記についてお教えください.

遺伝子工学的手法とは

著者: 谷口伴子 ,   長野敬

ページ範囲:P.1286 - P.1288

 Q 遺伝子工学的手法とは具体的にどのようにして行うのですか,またどのような研究に応用されているのでしょうか.併せてお教えください.

微生物

Branhamella catarrhatlsの同定法

著者: 成田浩喜 ,   武田博明

ページ範囲:P.1288 - P.1290

 Q 呼吸器感染症起因菌のB.catarrhalisの同定法と最小限必要な同定検査,併せて同菌の性状についてご教示ください.

病理

組織固定にマイクロウェーブ

著者: S生 ,   林公一

ページ範囲:P.1290 - P.1291

 Q 生物試料の固定にマイクロウェーブを用いる有用性について,お教えください.

AgNORs染色の細胞診への応用

著者: M生 ,   名古屋美智 ,   椎名義雄

ページ範囲:P.1292 - P.1294

 Q 腫瘍の増殖能を明らかにする方法の1つとしてAgNORs染色が用いられていますが,意義のある評価法について,どのように行えばよいのでしょうか.

診断学

心房内血栓の有無の診断

著者: A生 ,   川野成夫 ,   矢坂正弘 ,   宮武邦夫

ページ範囲:P.1294 - P.1297

 Q 心房内の血栓の有無を診断する検査法にはどのようなものがあり,またどの程度判別が可能なのでしょうか,ご教示ください.

糖尿病性腎症のマーカー

著者: K生 ,   槇野博史

ページ範囲:P.1297 - P.1298

 Q 糖尿病性マーカーには,血液検査としてIV型コラーゲン,同7S,メタプロテアーゼインヒビター,ラミニン,プロリールヒドロキシラーゼ,ビトロネクチンなど新しいものが次々に開発導入されていますが,それぞれについて区別を教えてください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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